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03月11日-一般質問-04号

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  1. 足利市議会 2020-03-11
    03月11日-一般質問-04号


    取得元: 足利市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-10
    令和 2年  3月 定例会(第1回)            令和2年            足利市議会定例会会議録(第4号)            第 1 回                                        3月11日(水曜日) 出 席 議 員 (24名)         1番 藤 本 秀 樹           13番 冨 永 悦 子         2番 鳥 井 康 子           14番 大須賀 幸 雄         3番 中 島 真 弓           15番 斎 藤 昌 之         4番 鶴 貝 大 祐           16番 栗 原   収         5番 末 吉 利 啓           17番 荻 原 久 雄         6番 須 田 瑞 穂           18番 柳   収一郎         7番 大 谷 弥 生           19番 渡 辺   悟         8番 杉 田   光           20番 尾 関 栄 子         9番 金 子 裕 美           21番 黒 川 貫 男        10番 小 林 貴 浩           22番 中 山 富 夫        11番 横 山 育 男           23番 酉 田 智 男        12番 吉 田 晴 信           24番 平 塚   茂 欠 席 議 員 (なし) 地方自治法第121条の規定による会議事件の説明のため出席要求によって出席した者    市     長  和 泉   聡       上 下 水道部長  金 子 裕 之    副  市  長  池 澤   昭       消  防  長  町 田   旭    総 合 政策部長  柴 崎 正 人       教  育  長  若 井 祐 平    総 務 部 長  平 澤 敏 明       教 育 次 長  邉 見   隆    健 康 福祉部長  大 川 晴 美       行 政 委 員 会  吉 田 愼 次                           事 務 局 長    生 活 環境部長  平 山   忍       農 業 委 員 会  斉 藤 正 巳                           事 務 局 長    産 業 観光部長  岩 原 幸 市       秘 書 広報課長  小 林   廣    都 市 建設部長  花 澤   繁       行 政 管理課長  吉 田 和 敬    会 計 管 理 者  津布久 公 夫 議会事務局職員出席者    事 務 局 長  松 村 伸 二       書     記  藤 本   昇    議 事 課 長  倉 上 豊 治       書     記  落 合   茜    議 事 調査担当  五十嵐   圭           副  主  幹 本日の会議に付した事件                                     ( 1) 議案第 1号 令和元年度足利市一般会計補正予算(第11号)について                  ( 2) 議案第 2号 職員の服務の宣誓に関する条例の改正について                       ( 3) 議案第 3号 財産の取得について                                   ( 4) 議案第 4号 足利市災害弔慰金の支給等に関する条例の改正について                   ( 5) 議案第 5号 令和元年度足利市介護保険特別会計(保険事業勘定)補正予算(第2号)について       ( 6) 議案第 6号 足利市印鑑条例の改正について                              ( 7) 議案第 7号 令和元年度足利市国民健康保険特別会計(事業勘定)補正予算(第2号)について       ( 8) 議案第 8号 令和元年度足利市公共下水道事業特別会計補正予算(第2号)について            ( 9) 議案第 9号 足利まちなか遊学館条例の改正について                          (10) 議案第10号 足利市開発行為の許可に係る技術基準に関する条例の制定について              (11) 議案第11号 市道路線の認定、廃止及び変更について                          (12) 議案第12号 令和2年度足利市一般会計予算について                           (13) 議案第13号 令和2年度足利市介護保険特別会計(保険事業勘定)予算について              (14) 議案第14号 令和2年度足利市国民健康保険特別会計(事業勘定)予算について              (15) 議案第15号 令和2年度足利市後期高齢者医療特別会計予算について                   (16) 議案第16号 令和2年度足利市太陽光発電事業特別会計予算について                    (17) 議案第17号 令和2年度足利市水道事業会計予算について                        (18) 議案第18号 令和2年度足利市工業用水道事業会計予算について                      (19) 議案第19号 令和2年度足利市下水道事業会計予算について                       (20) 議案第20号 令和元年度足利市一般会計補正予算(第12号)について                  (21) 質疑にあわせて一般質問(継続)                                         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◎事務局長(松村伸二) 報告いたします。  ただいまの出席議員24名、全員であります。  次に、本日の議事日程を申し上げます。  日程第1 議案第1号から第19号までについて       (質疑にあわせて一般質問・継続、委員        会付託)               日程第2 議案第20号について  以上であります。                           開議 午前10時00分 ○議長(柳収一郎) ただいまから本日の会議を開きます。  本日、東日本大震災発生から9年を迎えます。  本市議会においては、この震災により犠牲となられた全ての方々に対し哀悼の意を表し、地震発生時刻に合わせ、午後2時46分から1分間の黙祷をささげ、御冥福を祈りたいと存じますので、御承知願います。  日程第1 議案第1号から第19号までについてを議題といたします。  これより質疑にあわせて一般質問を継続して行います。  この際、申し上げます。一般質問については、一問一答方式の趣旨を十分に理解され、通告外とならないよう簡潔明瞭にお願いいたします。  また、答弁につきましても、分かりやすく、簡潔明瞭にされるようお願いいたします。  それでは、通告に従い、順次発言を許します。  9番、金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) おはようございます。発言の機会をいただきましたので、通告に従い順次質問させていただきます。  本日は3月11日、9年前に東日本大震災のあった日です。お亡くなりになった方々に心から哀悼の意を表しますとともに、今なお復興に向けて努力をされている方々へ、一日も早く安らかな日々が戻ることを祈念しております。  先発の議員と同じ項目もございますが、視点を変えてお伺いしてまいります。初めてタブレット端末で原稿を読みながらの質問になります。操作に不慣れな点があるかと思いますが、御容赦ください。  まず初めに、学校給食についてのうち、安心安全な学校給食についてお伺いいたします。日本では、学校給食が明治22年に始まり全国に広がりましたが、戦争の影響により中断され、その後、昭和22年から再開され、今日に至るそうです。給食が開始された頃に比べて、今日では子供たちの食生活を取り巻く環境が大きく変化し、偏った栄養摂取や食生活の乱れ、肥満、痩身傾向など、健康状態について懸念される点が多く見られ、学校給食は子供たちが食に関する正しい知識と、望ましい食生活を身につけるために重要な役割を果たしています。そして、食を通じて地域を理解することや食文化を継承すること、自然の恵みや勤労の大切さを理解することも重要であることから、国では平成17年に食育基本法が、平成18年に食育推進基本計画が制定され、子供たちが食に関する正しい知識と、望ましい食生活を身につけることができるよう、学校においても積極的に食育に取り組んでいくことが重要と示されました。  文部科学省のホームページには、食に関する指導の充実に取り組み、食育の生きた教材となる学校給食の充実を図るため、一層の地場産物の活用や米飯給食の充実を進めていますと記載されています。  本市の小中学校の子供たちが毎日食べる学校給食でも、食育や地産地消の推進は大変重要であると考えますが、現在どのような取組を実施しているのでしょうか。また、今後の取組についての考えをお聞かせください。  次に、本市では足利市学校給食における食物アレルギー対応マニュアル(2020)を策定し、食物アレルギーを有する児童生徒に対して、きめ細やかな対応を取っておりますが、近年の対応状況についてお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員の質問に対し、当局の答弁を求めます。  邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長登壇) ◎教育次長(邉見隆) 9番、金子裕美議員の御質問にお答えします。  初めに、学校給食を通じた食育の取組についてです。食育指導については、小中学校における食に関する指導全体構想を基に、栄養教諭や栄養士が中心となって取組を進めています。  具体的には、給食の時間に学校給食そのものを生きた教材として指導を行っているほか、社会科や理科といった各教科の食に関連した部分での食育指導や、発達段階に応じた食育の授業を行っています。また、令和元年度はつなげる食育チャレンジ推進事業を実施したところです。  次に、学校給食における地産地消の推進ですが、米飯には足利産の「とちぎの星」、パンには足利産小麦「さとのそら」を3割、米粉パンには栃木県産米粉を使用しています。また、足利産の食材を中心とした地産地消推進特別献立を実施し、生産者との交流を通じて地産地消の理解促進を図っております。  次に、食物アレルギー対応状況についてです。令和元年度文部科学省の指針に合わせてマニュアルを大幅改定し、令和2年4月からの運用開始に向けて準備を進めているところです。本市の食物アレルギーを有する児童生徒数は、令和2年2月末現在173名で、前年と比べて12名増加しています。食物アレルギー対応は、安全性が最優先されますので、関係者が共通認識を強く持って組織的に対応し、誤食事故等がないように努めます。  また、全ての児童生徒や保護者にも食物アレルギーについて理解いただけるよう、啓発も進めてまいります。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 再質問いたします。  答弁の中につなげる食育チャレンジ推進事業についてありましたが、取組について詳しくお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 栃木県が実施している文部科学省の委託事業でありますつなげる食育推進事業ということで、令和元年度足利市においては、3校において実施をいたしました。  栄養教諭が中心となってプログラムを作ります。主な事業の内容といたしましては、給食でトークということで、給食の時間に市長に来ていただいて、そして子供たちと食べ物についてのお話をしていただくランチトーク、あるいは学校では食育チャレンジシートを作りまして、自分の食べている食べ物についての振り返りを行っております。また、生産者との会食についても実施し、食べ物がつくられてきた流れ等についても勉強しております。  また、家庭におきましては、つなげる食育チャレンジ通信というものを保護者用に作って配布し、家庭での食育を進めております。  また、地域におきましては、生活習慣改善推進員による食育の事業を実施し、減塩等についても勉強を続けております。そうした結果を児童生徒が集まった集会、あるいは保健委員会の席で発表したりと、そのようなことで食への理解促進を図る事業でございます。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 再質問いたします。  つなげる食育推進事業は、食育の推進に有益な取組だと思います。3校で実施されているとのことですが、ほかの学校にもその活動を広げてほしいと思いますが、展開は可能なのでしょうか。  また、その場合の課題がありましたらお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 先ほど御紹介したとおり、令和元年度はモデル事業として3校で実施させていただきました。今後も、ほかの学校にも展開していきたいと考えております。  ただ、一遍に全部の学校をやるというのはなかなか、栄養教諭あるいは栄養士の派遣について人的な問題等も出てきますので、難しいかと思いますが、毎年何校か広げていって、最終的には全校でやっていきたいと、このように考えております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 栄養教諭だけでなく、学校給食課の栄養士だと思うのですけれども、その方も入っての展開ということですので、人手が足りなかったり、学校との調整が取れなかったりする部分があるのかなと思いますが、食について学べるすばらしい事業ですので、拡大に向けて取り組んでいただけたらと思います。  続きまして、地産地消について再質問いたします。農林水産省が示している食育推進基本計画の中では、学校給食において都道府県単位での地場産物を使用する割合を増やすことを目標としており、第2次、第3次食育推進基本計画の中で、30%以上とするとの目標設定をしています。  そこで、近年の本市の学校給食での栃木県産食材の地産地消率の推移をお伺いいたします。  また、その中で足利産の農産物の利用割合は分かりますでしょうか、分かる範囲でお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 学校給食における地産地消率の推移でございますが、平成29年度が26.1%、そして昨年の平成30年度が28.5%、そして令和元年度見込みでございますが、39.1%と、年々使用割合は増加の傾向にあります。  また、今後学校教育基本方針に基づき、地産地消の割合は増やしていきたいと考えております。  また、足利産の食べ物ですが、先ほど申し上げたとおりパンにおいては3割の小麦、米飯においては100%足利産ということで、野菜類についても大根、ニンジン、タマネギ、ネギなどの使用を進めております。割合については4.7%となっております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 栃木県産食材の利用率が、今までの統計では県内で足利市は低いほうだったと思うのですが、令和元年度39%になる見込みとのことで、大分取組が進んだと感じました。すばらしい数字だと思います。  一方で、足利産の野菜は4.7%ということで、その点について再質問いたします。足利市でも、たくさんの農産物を作っていますので、身近な食材をもっと利用できたら、より食育の推進になると思います。  足利産の農産物をもっと使ってほしいと思いますが、どんなことが課題なのでしょうか、お伺いいたします。
    ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 先ほど足利産の農産物4.7%というふうに紹介させていただいたのですが、足利産農産物、いわゆる野菜類の活用は増やしたいと学校給食現場としても考えているのですが、まず第一に安定的な生産量、あとその収穫の時期と使う時期の一致、そして何よりも大きいのが、食材の調達においては予算というものがございます。この予算の範囲において、価格の動向が一番の大きな課題かなと考えております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 再質問いたします。  食材は、価格の動向という話がありましたが、その見積りによって決定するため、地場産食材が必ずしも安く提供できるわけではないため、大量に安く提供できる地域の食材に入札負けしてしまうということだと思いますが、地場産食材の利用促進のために、農業支援の観点からの補助制度を充実させることはできないのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 足利産の農産物を使うために、市としては今現在、地産地消推進事業補助金という補助金を、学校給食会のほうに市のほうからいただいております。これを利用して、たかうじ君メニューということで、その日は地産地消の農産物を提供するような、そのような事業を行っております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 昨日、尾関議員と産業観光部長との地産地消に関する白熱したやりとりがありましたので、私からは詳しくはお伺いしませんが、足利産の農産物の使用率が5%程度ですので、それを増やす取組を考えていただけたらと思っております。  次に、食物アレルギーについて再質問いたします。食物アレルギー対応の中で、子供への健康被害があるような事例はあるのでしょうか。  また、被害には至らなくとも、ヒヤリハットのような事故には至らないけれども、危ないといったような事例はあるのでしょうか、お伺いしたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 食物アレルギーの健康被害の事故等ということですが、令和元年度、現在のところ健康被害事例報告はございません。  また、平成30年10月から、学校給食を食べるときにヒヤリハットがあったら、教育委員会に報告することということで、これは令和2年4月からの学校給食における食物アレルギー対応マニュアル(2020)に先駆けて、前倒しをして現在そのような対応を取っているところでございます。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) ヒヤリハットで有名なハインリッヒの法則では、1件の重大事故の裏には29件の軽い事故があり、300件のヒヤリハット、つまり冷やりとしたり、はっとするような出来事があると言われています。結果として、事故に至らないから見過ごされてしまうヒヤリハットを減らすことは、重大事故を防ぐことにつながります。  平成30年10月から、そういったヒヤリハットの報告を受けて情報を共有しているとのことで、同じような事件が減ったということですので、アレルギーでの命に関わる重大な事故を未然に防ぐ取組であり、大変評価するべきことと思っています。  令和元年度から始めたということですので、ぜひこれからもヒヤリハットの減少に向けて取り組んでいただけたらと思います。  最後に、市長にお伺いしたいと思います。学校給食は、本市の子供たちが毎日食べるものです。これまでいろいろお伺いしましたが、給食を提供する側としては、食材の確保、調理、運搬や施設の管理だけでなく、よりおいしいメニューの研究、食育の推進、食物アレルギー対応と、多くのことをしなければなりません。調理後2時間で給食が子供たちの口に入るまで、様々な人の思いと活動があり、1万1,000食が作られています。しかし、残念に思うのは、令和2年度から学校給食課がなくなり、学校管理課の中の一担当となってしまうことです。施設を安全に管理することや、食材の確保、調理、運搬などの現状のサービスを維持することは、学校管理課の中の一担当となってもできると思いますが、食育や地産地消をさらに進めていく、今以上のサービスを実現するためには、課が必要であると感じています。  また、多くの保護者からも、安心安全な学校給食のためにも、学校給食課を残してほしい、子供に関する予算は削らないでほしいとの声を頂いております。市民にとって、今ある課がなくなるということは、その分そこが手薄になると受け取れるものだと思います。  我が家は、上の娘がこの春から小学校に入学します。保護者にとって、子供が毎日どんな給食を食べているのか、それがどのような食材でどうやって作られているのか、とても気になるところです。栄養だけでなくて、旬の食材を取り入れたり季節ごとのイベントを意識した献立にしたり、家庭ではやり切れないようなきめ細かい対応をしていただいて、学校給食は本当にありがたいものだと思っています。  人は、食べたものからできています。安心安全な給食の維持だけでなく、さらなる食育、地産地消の取組について、市長のお考えをお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 和泉 聡市長。   (和泉 聡市長自席にて答弁) ◎市長(和泉聡) 学校給食に、そういう様々なたくさんの人の思いが込められているという今のような捉え方をしていただいたお話をしていただいて、本当に私としてもありがたいなと思いました。  そういう中で、今回組織改編の流れの中で、学校給食課が学校管理課に事務を統合するということで、御心配、御批判の声があるということを私も聞いておりまして、大変謙虚に受け止めなければならないと思っております。この事務の統合によって、学校給食課があったときと比べて、食育や安全安心面含めて、対応に後退が起きるということはあってはならないと思っています。  学校給食課があったときと比べて、どこかが弱くなったとか、どこかが後退したという部分がもし出てきたら、それは私の責任で、すぐ是正をしていくということをしていかなければならないと思っております。  そうした積み重ねによって、御心配の声が杞憂だったと思っていただけるように、万全を尽くしていきたいというふうに思っておりまして、これからにおいても学校給食の大切さというのは、足利市政の中においてみじんも変わるものではありませんので、そういう姿勢で子供たちのためにいい給食を作っていくために、万全の体制をとっていきたいと思っています。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 力強い御答弁ありがとうございます。毎日毎日給食のことを考えている課長がいらっしゃるのといらっしゃらないのでは、市民にとってその安心感が違います。  市長の決意のとおり、しっかりとした学校給食の運営がされるよう心からお願いいたしまして、次の食品ロスについての質問に移ります。  食品ロスは、本来食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食べ物のことで、日本では平成28年度に643万トンの食品ロスが発生したと推計されています。国連サミットで採択された持続可能な開発目標SDGsの中にも、食品ロスを全世界で半減させることが盛り込まれています。  国際連合食糧農業機関によると、世界の穀物生産量は26億トン以上あり、全ての人に公平に配分されれば、世界中が十分に食べられるだけの食糧が生産されていると言われています。しかしながら、世界では9人に1人が慢性的な栄養不足とされています。そして世界では、毎年食用に生産されている食料の3分の1に当たる13億トンが捨てられています。食品ロスが与える影響の一つとして、地球環境への負荷が挙げられていますが、食品ロスによって廃棄される二酸化炭素量は33億トンで、世界の二酸化炭素排出量の約1割にも及ぶと言われています。  そんな中で、日本では平成30年、食品ロスの削減に関する法律が施行され、食料の多くを輸入に依存している我が国にとって、食品ロスは真摯に取り組むべき課題であると明示されました。平成27年に、環境省が行った学校給食から発生する食品ロス等の状況に関する調査結果によると、平成25年度における学校給食からの食品廃棄物の年間発生量は、児童生徒1人当たり17.2キログラムで、そのうち食べ残しが7.1キログラム、調理残渣が5.6キログラム、そのほか4.5キログラムとの結果でした。  学校給食においても、食べ残しや食品残渣を減らす努力が必要と考えますが、本市の考えや取組をお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長登壇) ◎教育次長(邉見隆) ただいまの御質問にお答えします。  初めに、学校給食についてです。学校給食は、文部科学省の学校給食実施基準に基づき、児童生徒に必要な栄養摂取量を考えて作られています。給食を残してしまうことは、食べ物を無駄にするだけでなく、摂取すべき栄養量が不足し、成長期にある児童生徒の心身の発達に支障を来すおそれがありますので、食べ残さないよう指導しています。また、栄養教諭を中心とした食育の授業では、給食に関わっているたくさんの人々や、食べ物の命に対する感謝の気持ちを育むような指導しています。  給食の食べ残しを減らすための取組としては、小学校3年生から食育ハンドブック「元気な足利っ子」を使った授業で、食事の大切さを伝えています。また、献立会議で現場の先生方の意見をお聞きし、食べ残しが少なくなるような献立を考えたり、全部食べてくれたクラスには完食賞として表彰しています。  次に、これまでの本市全体の食品ロスへの取組についてですが、食品ロス問題の重要性をまず市民の皆様に知っていただき、共に考えていただけるような出前講座の実施や、飲食店、公共施設に啓発用ポスターやチラシを掲示し、周知をしています。  今後も、食育指導を通じて子供たちと一緒に食品ロスについて考えていくとともに、もったい9運動の周知徹底を図り、国や県、関係団体などと連携を図りながら食品ロス削減に努めます。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 再質問いたします。  給食は、栄養を考えられて作られているものなので、全部食べてほしいという思いは分かります。ただ、まず何より食べておいしい給食でないといけないと思いますが、おいしい給食を実現するためにどのような取組をしているのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) おいしい給食を実現するために、メニューの工夫を一番に考えております。  調理場の栄養士が献立試作会というものを毎月開催し、新メニューの開発、あるいはおいしい献立を現在考えております。  また、令和2年度については、新規事業として国産小麦100%のパンの試作会も予定しております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 国産小麦100%のパンの試食会を予定しているということなのですけれども、本市で作っている小麦は、うどん用の中力粉だとお伺いしています。パンは、粘りのある強力粉を使用するのが通常ですから、地産地消の推進とおいしい給食の間で、試食会の取組は大変意義のあるものだと思っています。今後そこから、例えば強力粉用の小麦生産の提案などができるとすばらしいと思っています。  再質問いたします。令和2年3月6日の下野新聞で、日光市の小学校教諭の取組が紹介されていました。食材を洗うことから始まり、最後に残飯の量を量り、食器を洗うまでの学校給食づくりの実際のプロセスを伝えるオリジナルDVDを作成し、道徳の授業に活用してみたら、児童が給食を一生懸命食べるようになったとのことでした。実際にどうやって給食が作られているのか、残したものはどうなるのか、それを知ると給食がより身近に感じられます。  調理している様子を何らかの形で見せてはいかがかと思いますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 現在、学校の児童生徒には、調理場見学を実施しております。それと食の指導時に、動画ではないのですが、パワーポイント等で資料を作成して、調理の流れを説明させていただいております。  今後、さらに動画等も含めて、内容を充実させていきたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 動画に合わせて、またホームページなどで調理の過程を紹介していただくことも有効かと思いますので、御検討をお願いいたします。  再質問いたします。少し前に、他県で教員が学校給食を持ち帰っていたということがニュースとなりましたが、教員に処分を下す自治体に対し、食品ロスの観点からの抗議の電話も多くあったと言われ、学校給食での食品ロス問題に一石を投じました。  そんな中で、学校給食の持ち帰りを解禁する自治体もあります。福岡市では、平成23年より一部の小学校において、ルールを決めた上で持ち帰りを認め、平成28年度までには全小中学校に持ち帰りを拡大したそうです。  そこでお伺いしますが、足利市ではいつから持ち帰りが禁止となっているのでしょうか。また、持ち帰り解禁の方策を取っている自治体がありますが、食品ロスの観点から、本市の考えをお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 足利市においては、衛生上の見地から持ち帰りを禁止することが望ましいという文部科学省の方針に基づきまして、平成15年の7月から持ち帰りを禁止しております。  現在では、食物アレルギー、特に乳アレルギー等がありますので、誤食等にも配慮して禁止とさせていただいております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 福岡市では、持ち帰りを解禁してから8年間事故は起きていないそうです。しかし、アレルギーのことを考えると、配慮が必要なのは理解できます。  再質問いたします。堆肥化する生ごみ処理機の活用など、学校で食べ残しに対しての取組は何かしているのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 先ほどの生ごみ処理機の活用の事例ということなのですが、現在3校の小学校で、給食の食べ残しを生ごみ処理機でリサイクルして使っております。堆肥化された肥料は花壇などで活用して、きれいな花を咲かせているということでございます。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 学校にある堆肥化装置が3校、たしか整備装置の設置自体はもっと多くの学校にあると思うのですが、3校で使われているということで、ほとんど使われていないに等しいのかなと思っています。  そのように、食べ残しがそのまま廃棄されている現状の中で、廃棄せずに食べ物を大切にする心を持ってほしいと思いますので、何か取組ができたらいいのではないかと考えます。今後の取組に期待しますので、御検討をよろしくお願いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症での学校休校に伴う給食の対応について、食品ロスの視点からお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、政府は令和2年3月2日から春休みまで学校を臨時休業するよう要請し、足利市はそれに従い小中学校を休校としています。  この政府の発表があったのは2月27日木曜日の夜で、金曜・土曜・日曜を挟んで3月2日に数時間登校しての休みということになりました。学校が休校となると学校給食は提供されませんが、急な休校の決定で3月の献立分を確保していた食材の対応はどのようにされたのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 3月の献立として確保していた食材については、4月以降にも使用できるように今献立を変更しております。  食品ロスが最小限になるように、現在努めているところでございます。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 3月のメニューを4月に移すということで、足利市の対応としてはそれでいいと思いますが、冷凍食品でしたら保存が利くと思いますが、生鮮食品は保存期間が短いので、関係者の中で食品ロスが出てしまう場合もあるのではないかと思っています。  各地で学校の休校決定が相次いだ2月28日、愛知県一宮市の対応がニュースとなりました。一宮市では、給食用に既に仕入れてある野菜や果物を生活困窮者の支援団体に寄附したり、市民へ即売したりしました。その後も、各地で給食用に仕入れた食材を販売したり、給食用牛乳を飲もうキャンペーンを行ったりしているニュースを多く聞きます。  その一方で、家庭では給食がなくなった分、子供の食事のための食材確保に日々追われています。突然春休みまでの休校が決定し、皆さんが対応に追われ、お忙しいとは思いますが、春休みまではまだまだ日があります。本市にできることが何かあるのではないか、そのアンテナをしっかり張って、柔軟に対応していただけたらとお願いいたしまして、次の学力向上と教育環境についての質問に移ります。  平成30年12月に、目指すべき子ども像・求められる学校像が発表されました。本市の児童生徒たちが様々な社会変化を乗り越え、人生を切り開き、社会のつくり手となるよう策定されたものです。  この中で、学校教育環境の充実に向けて検討すべき事項として、四つの項目が挙げられています。その中の施設・設備の整備について、具体的な方策をお伺いいたします。  次に、学力向上についてですが、令和2年度は学力向上のための取組をどのように予算に反映させたのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長登壇) ◎教育次長(邉見隆) ただいまの御質問にお答えします。  本市の児童生徒が様々な社会変化を乗り越え、人生を切り開き、社会のつくり手となれるよう本市教育委員会では、平成30年12月に目指すべき子ども像・求められる学校像を教育理念として定めました。  そして、この教育理念の具現化に当たり、児童生徒を取り巻く学校教育環境の充実に向け、人的な環境や物的な環境等、四つの事項について検討することとしました。  御質問の施設・設備の整備では、安心安全な学校施設の整備や教育のICT化に向けた児童生徒1人に1台のタブレット端末の整備等を検討しております。コンピューターを効果的に活用することにより、繰り返し学習したり、さらに難しい問題に取り組んだり、個に応じた学習を行うことができます。また、様々な情報を共有し、効率的に学習を進めることができると考えます。  次に、学力向上に資する施策の令和2年度予算への反映についてです。具体的には、子供たちの学習の定着度を確認するためのテスト、かなふり松チャレンジや、足利独自の英会話学習をさらに推進するための英語教育アドバイザー、日本語指導が必要な外国人児童生徒が安心して学ぶための音声通訳機器等を導入します。  今後も、学びの過程を把握し、個に応じた指導を充実させながら、教えるべきことはしっかりと教え、学ぶべきことは根気強く学ばせる教育活動の展開を推進し、自ら学び心豊かにたくましく生きる足利っ子の育成に努めてまいります。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 再質問いたします。  答弁にありました、かなふり松チャレンジについて、内容の詳細と取組の狙いについてお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 私のほうからお答えさせていただきます。  かなふり松プロジェクトの、これまで学校訪問で教師が中心としてウエートを置いてきたのは、指導法の改善でございました。それを振り返ったときに、子供たちに今日の授業の狙いが達成されていたのかどうかという評価の部分が不十分ではなかったのかなという課題が見られました。  そこで、かなふり松チャレンジを考えたわけでございます。学年末の1月に、足利市独自のテストであるかなふり松チャレンジですけれども、子供たちの学習の定着度を確認することを狙いとしています。そして、確認した後、その結果によって、達成十分な子に対しては発展的な課題に取り組ませ、不十分な子供たちには補充学習を行うと、個に応じた指導を行うこと、そしてその学年で学習すべき内容は、しっかりと身につけていきたいということでございます。  もう少し具体的に内容を申し上げますと、小学校は3年生から6年生までです。教科は、国語と算数の2教科、それから中学校は1年生と2年生、国語、社会、数学、理科、英語の5教科で行います。全ての子供がその学年の内容を十分に理解することで、自信を持って進学、進級できるようにする、そのためのテストでございます。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 再質問いたします。  かなふり松チャレンジでは、1月にテストを受けて、その後できていない部分を補うという考えですが、では、ふだん日常的に、日々学校に通っているときは、どう勉強に向き合ったらいいのでしょうか。日々どう学んでいくのが学力アップには理想的なのか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 日々の学習の中で、子供たちにとって大切なこと、それはいろいろと考えられますけれども、特に大切なことは、やはり子供自身が自分で学びたいと思う意欲であると、思っております。  そのためには、一人一人の子供の持ち味、特性を生かすことが大切でございます。子供たちの中には、人の何倍も時間をかければ、ずっといい回答をする子もいます。また、その一方で短い時間に正しい答えを探す子もいます。その子供の特性を見いだし、生かし、伸ばしてやること、これが子供たちにとっても、自分のペースで安心して学習に取り組める、自信を持って学習に向き合うことが可能になると思います。  子供たちももっとやりたいと、もっと頑張りたいという、そんな思いを高め、学習に臨むことになっていくと思います。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 教育長の御答弁のとおりでしたら、子供一人一人を認めて、向き合って個性を伸ばすことができると思います。ただ、現実には教師が多忙の中で、一人一人に向き合い切れていないと感じることもあります。  そこで、再質問いたします。先日の冨永議員の質問にありましたが、GIGAスクール構想の中で、タブレット端末が1人1台配付されたなら、個々の習熟度に応じた学習の提供が可能になります。宿題に関しても、今のような一律の計算や漢字の書き取りではなく、個々に応じた宿題の提供が可能になり、学力アップにつながると思いますので、非常に期待しております。  しかしながら、子供たちは現時点で、かなりの時間を勉強に使っています。学校で勉強して、宿題が出て、部活があって、習い事をして、一体いつ休むのだろう、いつ遊ぶのだろうと感じます。勉強が好きな子や、できる子はいいのですが、一律の宿題やテストを増やすことで、勉強が嫌いになる子供も多くなると感じています。  私は、学力アップに必要なものの一つは、勉強以外の分野での体験や学びだと思っています。教科で言えば、国語や数学などのいわゆる5教科ではなく、音楽、体育、図工、家庭科、道徳などの科目で、卓上で問題を解くよりは、勉強に向き合う姿勢、物事に取り組む姿勢や人間力を育てる学びが必要だと思っています。そうした人間力や非認知能力の部分が伸びてこそ、学力は伸びると思っています。なので、学力アップの議論が卓上での勉強をいかに充実させるかという議論だけになってしまうことを危惧しています。  そのため、学びとしては体験的な学びをもっとしてほしいと思いますが、その辺りのお考えをお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 体験的な学びを重視する、私もそれは大賛成でございます。  子供たち一人一人、得意なもの、あるいは苦手なものというのを持っております。走ることが得意な子もいれば、あるいは計算が得意な子、絵を描くことが得意な子、あるいは漢字を書く、覚えることが得意な子、様々でございます。  自分自身の経験で振り返ってみますと、自分が中学校の校長のときに新しく入学してきたお子さんのお母さんが、私のところにやってきて、こんなことを話しました。校長先生、うちの子は学習障がいがありますので、よろしくお願いしますと、そんなことでした。私もその話を聞いて、4月当初ずっと様子を観察していますと、確かに落ちついて学習ができない、教室を抜け出してしまうというような状況が見られました。ところが、その子供、5月の連休を明けていよいよ部活動が始まりました。水泳部に入りました。顧問の先生が一生懸命指導してくださった。見る見るうちに、その子供、体も引き締まって、泳力が伸びてきて、2年生の夏の大会では、県の大会まで出場するようになりました。すると、どうでしょうか、その子の得意なものをぐっと伸ばしてくるに従って、教室の中で落ちついて学習に取り組めるように変わっていきました。  よくハンカチの原理という言葉を私は使わせてもらっていますけれども、1枚のハンカチを机の上に広げて、中央を持ち上げていく、いわゆるよいところを伸ばしていくと、周りの苦手なところも自然と上がってくるという、そういうことでございます。  子供たち一人一人のよさを生かすということ、得意なものを伸ばす、それが自信を持って苦手であったことにも挑戦する意欲が育つと思います。そういう子供たちをこれまでもたくさん見てまいりました。知・徳・体の調和の取れた子供の育成のために、よさを存分に発揮させたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) ぜひ子供たちのよいところを伸ばす、その環境を大切にお願いいたします。  答弁は求めませんが、一言お伝えさせてください。先日、富山市の芝園小学校・中学校を委員会で視察しました。私は、芝園の小中一貫的な取組よりは、その建物に感動しました。デザイナーにお願いしてお金をかけた建物なので、すてきなのは当然なのですが、空間の使い方や、校舎内の余裕スペースの多さが印象的でした。小学校は、広いオープンスペースに沿って教室が配置され、教室とオープンスペースの間には仕切りがありませんでした。そのオープンスペースが広いだけでなく、一般に廊下や通路と言われる場所も教室のように広く、至るところに机や椅子が配置され、何かに使える場所となっていて、学校全体の椅子の数が生徒の倍あるのではないかと思えるほど、何かできそうな空間が多くありました。  そのほか、中央に幅の広い階段があり、吹き抜けになっていたり、ギャラリーがあったり、みんなが集まれるホールがあったりして、建物自体が勉強だけでなく、感性も大切にしているのだと言っているような印象を受けました。  空間的な余裕は、心の余裕を生むと思います。そして、心の余裕は感性や人間力の向上につながり、結果、学力も上がると思います。足利市にも、余裕スペースのある校舎があると思いますが、作りかけの工作が並べてあったり、物置になったりしていることが多いイメージがあります。それらが活用できるような遊び心も大切にしていただきたいとお願いいたしまして、次の放課後や長期休暇の過ごし方についてお伺いいたします。  目指すべき子ども像・求められる学校像の実現に向けての中では、放課後や長期休暇については触れられておりませんが、子供たちの生活面や学習面を考える上で、放課後や休日、長期休暇は、子供が成長する上で大変重要であります。  学校外での子供たちの過ごし方について、どのようなことを目指しているのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長登壇) ◎教育長(若井祐平) ただいまの御質問にお答えします。  本市教育委員会では、目指すべき子ども像・求められる学校像を設定しました。これは、本市の子供たちが様々な社会変化を乗り越えていくためには、どのような子供を育て、どのような学校が必要かという教育理念を示したものです。  その中で、目指すべき子ども像として、自ら学び心豊かにたくましく生きる足利っ子を掲げました。この理念に向け、足利学校のあるまち、教育目標のあるまち足利にふさわしい子供たちを育成してまいります。  そこで、議員の御質問ですが、目指すべき子ども像に向けて、学校外で子供たちがどのように過ごしたらよいかについてです。私は日頃、子供たちが外で遊んでいる姿を見かけることが少なくなったと感じています。一体子供たちはどこへ行ったのでしょうか。その原因としてよく言われているのは、三間が消えたということです。三間とは、現代の子供たちが抱える問題を示した言葉で、遊ぶ時間、空間、仲間という三つの漢字の間がないということです。こうしたことを補うために、放課後や休日、特に長期休業を活用して、学校ではできない様々な体験をしてほしいと考えています。  具体的には、地域における様々なボランティア活動や地元の祭り、スポーツ活動といった育成会行事等へ参加をすることで、人と関わる楽しみや喜び、自己実現を感じることができます。また、家庭は親子の触れ合いや基本的生活習慣を身につける場であります。そして、公民館などの社会教育施設では、小学生向け講座や少年の砦活動などを用意し、様々な体験ができるようにしています。  こうした体験を通して、家庭や地域社会での教育が学校教育と相互に補い合うことにより、豊かな学びを実現するものと考えております。今後とも皆様の力をお借りしながら、目指すべき子ども像の実現に向けて推進してまいります。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 再質問いたします。  令和2年度の取組として、放課後子ども教室が挙げられておりますが、取組について詳しくお伺いしたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 放課後子ども教室については、生涯学習課のほうで学校と協力して取り組んでいる事業でございます。  放課後に小学校の教室等を利用して、子供たちの安心安全な活動拠点を設け、学習活動やスポーツ、文化活動、このようなことを行っていくと。また、ここには地域の方を講師等でお招きして活動していくことも考えております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 再質問いたします。  本市では新しい取組なので、放課後子ども教室には大変期待しています。先立って放課後子ども教室を実施している自治体では、授業で分からない部分のフォローや宿題をやるだけでなく、地域の人材による体験学習に重きを置いているところも多くあります。  先ほどの学力向上の中で、教育長からの答弁にもありましたが、体験学習が子供たちにとって重要であり、学力アップにも有効だと思っています。初めは、安定した放課後子ども教室の開催を目指していただき、そして軌道に乗ってきた頃には、ぜひ体験学習に力を入れていただけたらと思いますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 先ほど私も答弁しましたとおり、体験というものは大変重要であると、今こそ子供たちに求められるものと考えております。  様々な年代の人たちと触れ合う、そのことによる社会体験とか、あるいはものづくり、竹とんぼを作るとか、しめ縄づくりをするといった、そういう生活体験、あるいは自然の中で遊ぶ自然体験、こういった体験が、やはり先ほど申し上げました自ら学び心豊かにたくましく学ぶ足利っ子、これにつながっていくものでございます。  放課後子ども教室は、限られたスペースの中で、限られた時間ではございますけれども、多様な体験活動をこれから実施していきたいと、そう考えているところでございます。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) ぜひよろしくお願いいたします。  再質問いたします。近年は、子供の居場所の必要性に対する意識が高まっており、居場所を運営する民間団体も増えています。例えば夏の猛暑の際には、外で遊ぶこと自体が危険とされることがあります。そんな中で、子供が自力で行ける範囲に、子供が過ごせる居場所があるといいと思います。市内に17カ所ある公民館には、テーブルと椅子が置いてあるフリースペースがあり、そこで子供たちが過ごせるといいと思いますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 公民館は生涯学習課の管轄ということで、現在いろいろな講座等を実施するほかに、興国文庫という図書スペースがありまして、そこで学習を子供たちがしております。  現在、学校は休校中ですが、ちらほらと中学生あるいは高校生、小学生が公民館に来ているというような報告も受けております。そういうようなロビーや図書スペースを利用して、いろいろな方が来ていただくと、これは大歓迎なことでございますので、そのようにしていきたいと思います。  また、公民館によっては、空いている部屋を夏休みとか長期期間中に、子供の学習室として開放している公民館もございます。そのようなところも利用していただければというふうに考えております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) ぜひそれを本市の統一見解として、公民館に周知いただければと思います。  それでは、最後の化学物質過敏症についての質問に移ります。化学物質過敏症と言えば、少し前まではシックハウスやシックスクール、農薬といったものが主流でありましたが、近年、香りの強い柔軟剤や洗剤が出回るようになり、その香りに含まれる化学物質が原因で、めまいや吐き気、思考力の低下を引き起こすことがあります。これらの香料に関する症状は、香りの害と書いて香害という言葉で呼ばれるようになり、近年よく耳にするようになりました。  令和2年3月2日の下野新聞にも香害の記事が出ていました。認知度が低く、症状を訴えても周囲に理解されず、1人で悩む人も多いと書かれておりました。国民生活センターのホームページには、柔軟仕上げ剤の臭いに関する情報提供がされており、静岡県の設置する環境衛生科学研究所のテスト結果が掲載されています。  その結果を抜粋しますと、柔軟剤の表示成分には香料のみの記載だが、香り成分として、海外の法律でアレルギー物質として表示が義務づけられている成分などが使用されていることが分かりました。化学物質に敏感な人などでは、これらの成分が空気中にわずかに存在していても、症状の原因となることもありますと示されています。また、柔軟剤の使用量を増やすことで、衣類への残存量が増え、香りも強くなるとのことです。  近年注目されている化学物質過敏症や香害に関して、本市の見解と取組についてお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 大川健康福祉部長。   (大川晴美健康福祉部長登壇) ◎健康福祉部長(大川晴美) ただいまの御質問にお答えします。  化学物質過敏症は、柔軟剤や香料などに含まれる微量な化学物質に反応し、頭痛や動悸、倦怠感などの症状が現れる病気です。原因となる物質が、ごく少量かつ多様であり、症状も多岐にわたるため、診断が難しい疾患です。加えて、発症のメカニズムや治療方法については、研究途上にあるため根本的な治療方法がなく、発症すると生活に深刻な影響を与える健康問題であると認識をしています。  本市では、化学物質過敏症の市民からの相談をきっかけに、令和2年1月から市のホームページにおいて、受動喫煙防止対策と併せて環境省や国民生活センターのホームページをリンクし、市民へ情報提供をしているところです。  また、相談体制については、健康増進課と消費生活センターで連携し、商品使用による身体症状や商品の選択についての相談に対応しています。  今後も、国や専門家の信頼性の高い情報を提供し、市民の理解が進むよう啓発に努めてまいります。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 再質問いたします。  つくば市や多賀城市、安曇野市などでは、教育委員会が保護者宛てに柔軟剤などの使用自粛を求める文書を出しています。近年、このように化学物質過敏症や香害について、症状への理解と配慮を促すための対策を講じる自治体が増えています。  本市でも、チラシの作成、啓発ポスターの掲示やホームページ、広報紙などで周知をしてはいかがかと思いますが、改めてお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 大川健康福祉部長。   (大川晴美健康福祉部長自席にて答弁) ◎健康福祉部長(大川晴美) 臭いや香りの害である香害の啓発普及につきましては、市のホームページで周知をしているところでございます。  健康被害を受ける方がいるという現状を踏まえまして、今後も情報につきましては随時提供してまいりたいと考えております。  また、他の啓発方法につきましては、国の対応状況を注視した上で、また他市の取組などを参考にして、検討してまいりたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 再質問いたします。  化学物質過敏症は、様々な化学物質が原因となります。その中の一つが農薬であることは、誰もが知るところです。農薬の空中散布の時期になると、化学物質過敏症の症状がひどくて、外出ができないという声を複数頂いています。空中散布の場合、空気中に舞うので、広範囲で化学物質を感じることになります。散布前には、散布の告知が周辺の自治会にはされるようですが、もっと広範囲での告知ができないものでしょうか。  現在の告知方法と広範囲での告知についてのお考えをお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 岩原産業観光部長。   (岩原幸市産業観光部長自席にて答弁) ◎産業観光部長(岩原幸市) 無人ヘリコプターによります農薬の空中散布につきましては、4月の麦の時期、それから7月の米の時期、年2回農業協同組合のほうで実施をしております。  その実施に際しては、対象区域に対して自治会回覧などで散布の時期、それから方法等々、周知をしているわけですけれども、議員がおっしゃったように空中散布でありますから、広範囲にそれが広がるということで大変御心配されている方、あるいは実際に何か症状を出された方といらっしゃるということであれば、全市的な広報について早速手配を進めてまいりたいと思っております。 ○議長(柳収一郎) 金子裕美議員。   (9番 金子裕美議員登壇) ◆9番議員(金子裕美) 症状がひどい方などは、空中散布がある日は外に出ないとか、その後数日間は気をつけて過ごされるそうなので、ぜひその情報を知りたがっている方もいらっしゃるので、広く告知をお願いいたします。  化学物質過敏症、特に香害に関しては、近年注目され始めたものであり、周知が進んでおりません。よかれと思って使ったものが、実は誰かに被害を与えている、その可能性を知ることは、被害の減少につながると思いますし、また化学物質過敏症を知ることで、自分にその症状がある場合の対策を取りやすくなります。その周知が進むよう啓発や告知をお願いいたしまして、ただいまの産業観光部長の答弁をもちまして、私の質問を終了いたします。 ○議長(柳収一郎) この際、暫時休憩いたします。  なお、再開は午前11時10分といたします。   休憩 午前11時03分                           再開 午前11時10分 ○議長(柳収一郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑にあわせて一般質問を継続して行います。  23番、酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) 発言の機会をいただきましたので、順次質問してまいります。当局の明快な答弁をお願いいたします。  さて、今日は3月11日、9年前のこの日に東日本大震災が発生いたしました。ちょうど議会において予算審査特別委員会の開催中でありました。私が委員長として取り計っていたときでありましたが、物すごい揺れで暫時休憩、その後散会と、大変な記憶がよみがえっております。そして、令和元年10月12日の台風第19号は、70年ぶりの大規模であり、全国に大きな災害をもたらしました。当足利市におきましても、未曽有の災害でありました。被災された皆様に対しまして、心からお見舞い申し上げますとともに、なお現在も復興の途上にあります方々が、一日も早く復興されますことを心から願うものであります。  また、世界中に大変拡散している新型コロナウイルス感染症の問題は、緊急危機問題として、既に死者が世界で4,000人を超えていると、各国の対応が図られているところでございます。我が国日本におきましても、小中高校、特別支援学校など、多くの団体において臨時休業を行うなど、クラスター、集団に警戒をする異常事態に取り組んでいます。私は、一日も早い正常復帰を願ってやまないところでございます。  それでは、通告に従いまして順次質問してまいります。  初めに、市長の市政運営について、公共施設の最適化についてお伺いをいたします。令和元年第2回市議会定例会では、本市の重要課題である斎場の更新について当局に質問したところですが、今回は、時代の変遷の中で私が感じているこれからの公共施設の在り方として、公共施設の最適化について、市長に伺いたいと思います。  本市の公共施設は、昭和40年代後半から昭和50年代にかけて集中的に整備されました。実に築30年以上の施設が全体の7割以上を占め、老朽化が進んでいるところです。公共施設を延べ床面積で見たところ、小学校、中学校、保育所、市営住宅だけで約39万平方メートル、全体の65%近くを占めております。いずれの施設についても、市民生活に欠かせない重要な施設であります。これらの施設についても老朽化は進んでおり、私は市民生活への影響を考えたとき、将来に向けて何らかの方策を講じていく必要があると考えておりますが、これまでの老朽化施設への対応を市ではどのように取り組んできたのかをお伺いいたします。  また、総務省では全国の自治体に対し、平成30年2月に公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針を改定し、その指針の中で施設の更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行い、財政負担の軽減と平準化を進め、公共施設の最適化を実現していくよう要請しております。これを踏まえ、本市では足利市公共施設再編計画の策定に取り組んでいるところでありますが、施設の老朽化が進む中、公共施設の最適化に向けてどう対応していくのか、今後の基本的な考え方を併せてお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員の質問に対し、当局の答弁を求めます。  和泉 聡市長。   (和泉 聡市長登壇) ◎市長(和泉聡) 23番、酉田智男議員の御質問にお答えします。  議員御指摘のとおり、本市の公共施設は昭和40年代後半から昭和50年代にかけて整備された施設が多く、その老朽化対策が喫緊の課題となっています。  厳しい財政状況が続く中、人口減少や少子高齢化に加え、こうした公共施設等の老朽化対策が大きな課題となっていることから、本市では平成28年3月に足利市公共施設等総合管理計画を策定しました。  この計画を策定した結果、今後さらに厳しくなる財政状況においては、全ての施設をこれまでと同じように維持していくことは困難な状況であることが分かりました。さらに、平成29年度には施設カルテを作成し、各施設の分析評価を行うことで、老朽化や劣化状況がより明確になりました。  私は、公共施設にとって最も大切なことは、何よりもまず市民の皆様に安全安心に施設を利用していただくことだと考えています。そこで、こうした老朽化対策を含めた公共施設の最適化に向けた基本的な考え方として、総合管理計画において公共施設のマネジメントに関する基本方針を定めました。  この基本方針では、施設総量の適正化や集約化、複合化等による効率的な運営の推進を掲げています。そして、基本方針を具体化するため、現在各施設の再編の方向性と時期を示す足利市公共施設再編計画の策定に取り組んでいます。この再編計画を着実に進め、施設の集約化、複合化、長寿命化を計画的に行うことで、財政負担の軽減、平準化を進め、公共施設の最適化を図ってまいります。  公共施設は、市民生活に欠かせない重要な施設が多く、その老朽化や統廃合は、市民生活に大きな影響を与えます。このことを十分に踏まえ、市民や市議会の皆様の御意見をいただきながら、公共施設の最適化に取り組んでまいります。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) 先日の下野新聞の記事によりますと、小山市では公共施設長寿命化計画の素案をまとめ、その中で全体で187施設のうち50施設の耐用年数が従来の60年から80年に長寿命化して試算した結果、今後35年間の投資額が133億6,000万円縮減できるとありました。小山市のような公共施設の長寿命化計画を本市も策定しないのか、この辺についてお聞きしたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 柴崎総合政策部長。   (柴崎正人総合政策部長自席にて答弁) ◎総合政策部長(柴崎正人) 小山市では、公共施設長寿命化計画を策定されたということで、その耐用年数を60年から80年に長寿命化するという、この試算で今議員からもお話ございましたとおり、財政負担の軽減、さらに平準化、こうしたものを図っていくという考えのようでございます。特にその対象施設を絞った上で、職員が目視で点検をし、施設の老朽化の度合いを数値化していくというような手法を取ったようでございます。  本市といたしますと、現在公共施設再編計画を策定しているところでございまして、議員から御指摘のあったこうした長寿命化、本市としても取れないのかというお話でございましたが、この再編計画を踏まえまして、今後、個別施設計画、こうしたものをつくっていくこととなります。その策定の中で、例えば小山市のような方法も参考にさせていただきながら、今御指摘の点も十分踏まえた計画にしていきたいと、このように考えております。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) 個別施設計画であるとか、ただいま部長から答弁ありました。経費の縮減、これはもう大きな課題でございますので、十二分に御検討いただいて、進めていただきたいと思います。  再質問いたします。市営住宅は、本市の公共施設全体における約3割の延べ床面積を占めています。また、年金生活者や高齢者、独り親世帯など、所得が少ない方々にとっては、生活の基本である住居の確保という観点から、市民生活に直結した重要な施設であります。それゆえ、施設の再編に当たっては、慎重な対応が必要であると考えます。  市営住宅の整理、統合について、今後どのように進めていくのかお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 花澤都市建設部長。   (花澤 繁都市建設部長自席にて答弁) ◎都市建設部長(花澤繁) 市営住宅につきましては、家賃が低廉であるといったことから、今後とも所得の少ない方々の住宅セーフティネットとして必要不可欠であるというふうに考えているところでございます。  また一方で、人口減少の進行や施設の老朽化などに伴いまして、市営住宅の整理や統合といった問題につきましては、今後対応すべき重要な課題であるというふうに考えております。  こういった中、原則住居の提供という面では、民間の賃貸住宅にその役割を担っていただくといったことが理想ではありますが、特に生活に困窮されている方々に対しましては、適宜適切に市営住宅を提供していく必要があるものとも考えられます。  そこで今後、足利市公共施設等総合管理計画に基づきまして、将来の需要を見極めた中で適切な管理戸数を確保するといった取組について、適切に対応してまいりたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) 私の地元にも市営住宅があります。まだ決定されたものではないでしょうが、将来的には錦町市営住宅は縮小して建て替えられ、錦町市営住宅に千歳町市営住宅が統合される形で、最終的には千歳町市営住宅は廃止される計画と伺っています。入居者の方にいろいろな情報が伝わっているせいか、このまま住み続けられるのかどうかなどという不安な声が聞こえてきているところでございます。  そこで、お伺いいたします。現在入居されている方々の中には、不安を抱えている方もいると思うが、今後どのように、対応していただけるのか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 花澤都市建設部長。   (花澤 繁都市建設部長自席にて答弁)
    ◎都市建設部長(花澤繁) まずは、御指摘の御心配をされている方々に対しまして、無用な混乱を避けるといった点でも、関係される方々に対しましては適切な情報を伝えていくといったことが、まずは重要であると考えております。その上で、個別の案件ごとに幅広く御意見を伺うなど、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えています。  特に、廃止として現在位置づけられているような市営住宅につきましては、今後どのような配慮をしていくべきなのか、心配される方々に対してどのように対応していくべきなのか、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) そこに住まれている方、それからまた自治会を通じて、いろいろな形で事業を展開しているとか、生活をしている方がございます。まず、今後のことなどについて、特に心配している自治会長がおりますので、ぜひ説明をしてあげて、不安を取り除いていただきたいと思います。  また、再質問させていただきますが、市営住宅から退去される場合に決まりでございまして、一つ錦町市営住宅を例にして申し上げますと、退去者は、畳、ふすまの修復費用として14万円程度を納めているようであります。納めなければ、そこを退去できないという、そういう決まりがあるそうでありまして、独り暮らしの老人であっても、14万円置いてせがれのところへ引っ越すのだと、そういうような決まりになっているそうでありますけれども、錦町市営住宅の現在の入居率が75%だそうで、自治会長によりますと62%というのですけれども、実際調べてみましたら75%だそうでありまして、空き部屋部分の修復費用が、お金がどのように管理されているのか。まだ空いたままになっていて、全然手をつけていないと、そうするとお金が独り歩きしているのだと思うのですが、そういうお金がどのように管理されているのか、その点についてひとつお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 花澤都市建設部長。   (花澤 繁都市建設部長自席にて答弁) ◎都市建設部長(花澤繁) 今現在、市営住宅につきましては、入居者、入居された方々が破損された箇所、それ以外といたしましては畳の表替えとふすまの張り替え、こういったことに要する費用だけは、退去する際にそれぞれ御負担をしていただいているところでございます。  それにつきましては、事前に相当する費用を現金でお預かりする場合と、また退去する際に、御自身で業者の方に依頼をしていただいて修繕をしていただくと、その両方で対応できるということになっております。  以前には、せっかく表替えをして新しくしたのですが、その後日焼けをしてしまって、また張り替えたといったこともあったようであります。そういったことから、現在預かった現金につきましては、一括して適切に保管、管理しているところでありまして、新しく入居する方々が決まった段階で、部屋ごとに適宜その現金を利用いたしまして、業者に修理を依頼しているということでございます。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) 今、市営住宅の管理は民間委託されて、したがって市で直接管理をしていない。この公金の取扱いについて十二分に管理をしていただけるように求めまして、お願いしておきたいと思います。とにかく錦町市営住宅の入居率は75%で、25%の方がもう全部退去金を払って出ていって、その25%のものが全部、今貸し出ししていないのです。5階はエレベーターがないので、貸し出ししていないと思うのです。それだけでも何十%かになってしまいますので、十二分にその辺の管理をよろしくお願いしたいと思います。  数ある公共施設の中でも、市民生活に密着した生活の基盤であるのが市営住宅であります。その地域に根づいた市民の暮らし、慣れ親しんだ生活の場は、そこにあります。公共施設の再編では、統廃合という厳しい選択を強いられることもあると考えておりますが、ただいま答弁があったように、公共施設の性格やその特性を十分考慮し、特に市営住宅では、入居者の立場に立った丁寧な対応に努めていただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。  次に、大型共施設の更新についてでありますが、4大公共施設の更新についてお伺いいたします。令和2年2月に策定した第7次足利市総合計画令和2・3年度実施計画及び同月に改定した足利市まち・ひと・しごと創生総合戦略において、公共施設の最適化の分野で、これらの4大公共施設の更新が挙げられております。市民会館については、本市の芸術文化活動の拠点として、消防本部庁舎、斎場、南部クリーンセンターについては、安全安心で衛生的なまちづくりに必要不可欠な施設として、市民生活に欠かすことのできない重要な施設となっております。  市議会においても、令和元年6月に公共施設建設・整備検討特別委員会を立ち上げ、これまで理事会及び全体会をそれぞれ14回開催し、これらの大型公共施設の調査や検討を進めているところであります。令和元年12月には、足利市消防本部庁舎の建設工事が始まりました。施設の更新が本格的に進んできたと実感しているところであり、市長の4大公共施設の更新に対する強い決意を感じております。  しかしながら、消防本部庁舎のほか、残りの3施設についても同時に計画が進められており、事業の実施時期が重なることも事実であります。私は、大型公共施設の円滑な更新を進めていくために、事業の進捗管理が大変重要であると考えております。  そこで、お聞きいたしますが、それぞれの大型公共施設の現在の進捗状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。 ○議長(柳収一郎) 和泉 聡市長。   (和泉 聡市長登壇) ◎市長(和泉聡) ただいまの御質問にお答えします。  現在、施設更新の作業を進めている消防本部庁舎をはじめとする4大公共施設は、いずれも市民生活を支える重要な施設であるため、将来の施設利用の需要予測等により、その規模を精査した上で着実に更新を進めなければなりません。  施設整備に当たっては、地域住民の皆様の御協力が不可欠であります。これまで施設の更新に向けた作業が順調に進められたのは、ひとえに地域や関係する皆様の御理解、御協力があったからだと感じております。改めて、皆様に感謝を申し上げます。  さて、各施設の進捗状況と今後の見通しについてです。まず、消防本部庁舎です。令和元年12月から庁舎建設工事に着手し、現在は基礎工事を行い順調に工事が進められ、本体工事後は既存建物の解体と附帯施設の整備を行い、全体として令和4年度末の完成を目指しています。  次に、新斎場です。今月から基本設計を行い、令和3年に本体工事に着手し、令和6年度の供用開始を目指しています。  次に、新クリーンセンターです。新たな事業用地として3ヘクタールの用地が必要なことから、鋭意用地取得事業を進めており、引き続き土地所有者の御理解、御協力が得られるよう努めてまいります。この新クリーンセンター整備事業は、本市初となる設計、施工、運営の一括発注方式、いわゆるDBO方式を採用することとしました。事業者選定と焼却施設の建設等に、6年程度の期間を見込んでおります。  市民会館については、敷地の一部を足利高等学校と足利女子高等学校を統合して設置される新校の敷地として提供することで、栃木県と基本的な合意に至った状況です。市民会館の建て替えに当たっては、これまで足利のまちが培ってきた伝統や文化を守りながら、市民に親しまれる芸術文化の拠点施設となるよう、整備場所と併せて検討してまいります。  4大公共施設のいずれについても、市民や議会の御協力がなければ、施設更新はなし得ません。事業には多大な費用がかかることから、国等の補助金や民間活力の導入等、様々な手法を活用し計画的に事業が進むよう、引き続き積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) 市民会館の移転というか、県立高校への提供、にわかに湧いてきた事例でございますけれども、いろいろな意味で慎重に進めていただくようにお願いし、再質問をいたします。  新斎場については、これから施設整備に関わる基本設計に本格的に着手していくこととなりますが、将来の火葬需要や、市議会議員を構成員とする公共施設建設・整備検討特別委員会からの意見をどのように生かし、業務に反映していくのか、考え方をお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 柴崎総合政策部長。   (柴崎正人総合政策部長自席にて答弁) ◎総合政策部長(柴崎正人) 斎場に当たりましては、設計条件を整理する段階で、新しい施設に求められる機能などにつきまして、それを整理、抽出を行い、また併せて設計業者ともしっかりと情報共有を行いまして、いただく御提言、その他を基本設計のほうに反映させていきたいと、このように考えております。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) 過日の会議の中でも、新斎場の中間報告の中でも、いろいろ議員の間からも意見が出ております。ぜひひとつ慎重にこれも進めていただくことを願って、再質問をいたします。  新クリーンセンターに関しては、基本計画の策定過程において、過去に類を見ない規模の事業費が示された。本件に関しては、公共施設建設・整備検討特別委員会において、徹底した事業費の縮減に努めることなどの意見が出ていますが、今後どのように業務に反映させていくのか、考えをお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 柴崎総合政策部長。   (柴崎正人総合政策部長自席にて答弁) ◎総合政策部長(柴崎正人) 今議会のほうからも事業費の削減をと、こういうような御提言もいただいているところでございまして、新しいクリーンセンターについては、この事業費の縮減、これは市といたしましても非常に大きな課題というふうに捉えているところでございます。事業を発注するに当たりまして、予定価格を設定するということになりますけれども、基礎資料として徴取する見積りの精度、これが高くなるように先進事例を研究の上、取り組んでまいりたいと思います。  また、今回はDBO方式ということでございますので、施設の整備運営を一体とした性能発注ということで行うことになります。必要十分な設備構成となるように、発注に当たっては要求水準書をどうつくっていくのか、これが非常に肝腎な事項になってまいります。この要求水準書の作成方法につきましても工夫をしていきたいと、こう考えております。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) 再質問します。  新クリーンセンターに関しては、基本計画の策定過程において、過去に類を見ない規模の事業費が示されました。本件に関しても、公共施設建設・整備検討特別委員会において、徹底した事業費の縮減に努めることなどの意見が出ていますが、ただいま答弁の中にもございましたが、さらにどのように業務に反映させていくのかについて、もう一度お考えをお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 柴崎総合政策部長。   (柴崎正人総合政策部長自席にて答弁) ◎総合政策部長(柴崎正人) 事業費縮減の方法ということでございますけれども、例えば発注の範囲をどこまで、これ軸になりますのはプラントでございますので、そのプラントの部分はどうしても大きくかかりますけれども、新クリーンセンターを整備するに当たりましては、いろいろな工事等も必要になってまいります。例えば拡張する部分の造成工事等も必要になりますし、その他の附帯の施設もございます。そうしたものをどこまで一体的に発注することが、価格抑制する上で有効なのかどうなのか、そうしたことも吟味しながら、また施設の中身につきましても過重とならないように、かつ効率的で本市の将来の姿に合った形の施設となるような、そんな吟味も行いながら縮減に努めてまいりたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) 各施設とも老朽化が著しく、一日も早い更新が求められております。  これまで議論を重ねてきたところでありますが、人口減少社会を迎え、本市においても限られた財源をいかに有効活用するかという大きな課題を抱えています。施設の更新に当たっては、経済性や効率性についてよく吟味をされ、本市にとって最も有効な手法で施設の更新が行われるよう十分に研究を重ね、大型公共施設の更新に当たって再三申し上げていますように、議会からの提案も念頭に置かれて取り組んでいただきたいと思います。  それでは、次の質問に移ります。財源の健全化についてお伺いいたします。和泉市長は、本市が抱える過去からの懸案に対して、就任当初から積極果敢に取り組み、多くの難題を解決してきました。特に公設地方卸売市場については、約40年間にわたって一般会計からの繰入れが続く状況となっておりました。この長年の問題を解決すべく、数十年来歴代の足利市長が様々な取組を行ってきましたが、和泉市長になって民営化される方針を打ち出し、平成30年1月、ようやく大きな課題に区切りをつけました。  また、もう一つの大きな懸案であった小俣最終処分場の賃借権確認等請求訴訟では、数十回にわたる口頭弁論、和解協議などの末に、土地所有権の取得という抜本的な解決を得ることができました。  財政的に考えれば、公設地方卸売市場民営化のための補助金や、小俣最終処分場の和解のための解決金など、一時的には多くの支出を伴うこととなりますが、長い目で見ると将来的な財政負担は大きく軽減され、次の世代に対する責任を果たしたと考えております。  そのようなことを踏まえ、本市の財政状況に目を向けますと、令和2年度の当初予算案では、歳入では市税がわずかに減少し、歳出では扶助費などの社会保障費が増加しており、依然として厳しい状況がうかがえます。令和元年1月に公表された大型公共施設更新に向けた財政指針では、4大公共施設を最短で建て替えた場合の総事業費は350億円に上り、令和7年度には基金が枯渇し、収支の均衡が保てなくなるという推計値が示されました。  同指針の公表から1年余りが経過し、その間4大公共施設を取り巻く状況は刻々と変化していると思われます。また、令和元年台風第19号の対応に当たって、度重なる補正予算が編成され、財政的には厳しい方向に向かっているものと思います。  今後も、大きな財政負担となる大型公共施設の更新が控える中で、財源の確保など、財政の健全化に向けた考え方をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 和泉 聡市長。   (和泉 聡市長登壇) ◎市長(和泉聡) ただいまの御質問にお答えします。  現在民間によって造成が進められている公設地方卸売市場跡地については、市が建築した市場施設の解体など、民営化を図るための費用として16億円を要しましたが、老朽化した施設の建て替えや、市場用地を借り続けた場合と比較し、将来的には数億円規模の支出が抑制される見込みであります。  また、小俣最終処分場賃借権確認等請求訴訟についても、解決金として11億円余りを要しましたが、そのまま処分場用地を借り続けた場合と比較すると、将来的な市の負担額は大幅に抑えられることになりました。これらの一時的な支出については、市の貯金である基金の取崩しなどにより対応しましたが、現在主な基金残高は約80億円あり、借入金である市債残高についても、例年約20億円のペースで減らしてきています。現在のところ、財政状況をはかる物差しとされる各種財政指標は健全であります。一方、大型公共施設の更新は、今後大きな財政負担を伴うものです。  そこで、令和元年、大型公共施設更新に向けた財政指針によって、持続可能な財政運営に向けた基本方針を示しました。その方針に沿い、徹底した行政改革、公共施設及びインフラ施設の経費削減、未来への投資の3項目を着実に実行する必要があります。  行政改革については、令和2年度から行政改革担当を設置し、一層の推進を図ります。公共施設については、対象施設の方向性と実施時期を示した足利市公共施設再編計画が、今まさにでき上がるところであり、これに基づき堅実に進めていきます。  未来への投資としては、令和2年度予算において新たな産業団地開発やスマートインターチェンジの新設誘致に向けた取組、移住定住を促進するための各事業など、将来の歳入増加につながる事業を数多く予算化しました。  さらには、足利市立地適正化計画を策定し、国からの新たな補助金を導入することや、市債の償還期間を長く取ることによって支出の平準化を図るなど、新たな財政上の取組を加えながら、未来の足利をしっかりと見据えて、持続可能な財政運営に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) ただいま市長から、公共施設、財政というテーマの中で、市長の市政運営に関しての御答弁をいただきました。いろいろ水害でありますとか、新型コロナウイルス感染症でありますとか、それから世界経済でありますとか、日本の経済でありますとか、様々と変化している中で、ぜひ和泉市長をはじめ執行部の皆さんには、守りの姿勢を基本として、しっかりと地に足をつけ冷静に、そして着実にこの足利市を守るべく、市政運営に当たっていただきたいと思います。  次の質問に移ります。災害に強い安全安心なまちづくりについて、中橋の架け替えについてお伺いいたします。災害に強い安全安心なまちづくりについては、これまで幾度となく質問してまいりましたが、初めに中橋の架け替えについてお伺いをいたします。  近年の自然災害、特に台風、ゲリラ豪雨による浸水災害は、ますます頻発、激甚化する傾向にあります。令和元年10月の台風第19号では、本市においても降り始めから総雨量が観測史上最大の260ミリを記録し、市内各所で広範囲にわたり大規模な浸水被害が発生しました。  この台風では、本市の市街地中央を流れる渡良瀬川上流においても異常なほど降雨があり、上流の草木ダム、高津戸ダムから長時間にわたり大量の放流があったことから、渡良瀬川の水位が氾濫注意水位に迫る状況となりました。このような中、草木ダムから毎秒1,200トンを超える緊急放流があるとの情報が入り、市街地中心部の浸水を防ぐため、中橋の堤防が切り込んでいる箇所に大型土のうを積むという水防活動が初めて実施されました。この水防活動に従事された市内の建設業界の方々に、降雨の中、夜を徹し自らの危険を顧みず作業していただきました。改めて、皆様の活躍に感謝を申し上げたいと思います。  幸いにして、草木ダムからの緊急放流は実施されず、事なきを得ましたが、昭和22年のカスリーン台風を体験した私としては、地域にお住まいの皆さんの心配はいかがなものかと、大変憂慮しているところでございます。  このようなことから、私は本市の災害に強い安全安心なまちづくりをさらに推進するために、中橋付近の堤防のかさ上げ、それに伴う中橋の架け替えは、決して欠かすことのできない最重要な事業であると、改めて強く実感をいたしました。和泉市長も、まさに同じ考えであると思っております。  令和元年6月に開催された利根川水系連合・総合水防演習の中で、中橋付近が水害の危険性が極めて高い重要な水防箇所であると市民に訴えてきました。さらに、国、県、市の3者で構成した中橋整備検討委員会で、議論や勉強会での意見交換などをはじめ、中橋の架け替えに向けた調査研究を積極的に行っていることは伺っておりますが、全国で大規模な災害が頻発している状況下では、待ったなしの議論であると考えております。  いつもこの問題を私が口にしますと、草木ダム、高津戸ダムがこれを守っているから大丈夫だと、こういうふうに言われておりましたが、そこで、私と同じ思いである市長にお伺いいたします。  中橋付近の堤防のかさ上げ及びこれに伴う中橋の架け替えについて、現在の進捗状況と今後の対応をお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 和泉 聡市長。   (和泉 聡市長登壇) ◎市長(和泉聡) ただいまの御質問にお答えします。  中橋については、左右岸の取付部が堤防を切り込んでおり、水害の危険性が極めて高い重要水防箇所に位置づけられています。  そこで、私が市長に就任して以来、この喫緊の課題を解決するため、国、県に対し働きかけを行ってきた結果、平成28年7月には国、県、市の3者で構成する中橋整備検討委員会が組織され、平成31年3月には、これまでの具体的な調査研究を踏まえて、3者が連携した地元説明会を開催することができました。  近年、全国的に自然災害が激甚化、頻発化し、地域の皆様の防災意識がより高まっていたこともあり、地元説明会では、おおむね御理解をいただいたものと感じているところです。  さらに、令和元年の台風第19号では、夜半に草木ダムが緊急放流を実施するとの情報を得たことから、地元の建設業協力会の皆様の御協力をいただきながら、初めて中橋の左右岸に土のうを設置する水防活動を実施しました。幸いにして事なきを得ましたが、今後、地域の皆様の生活を守っていくためには、一刻も早い事業化が不可欠であるとの思いが、より一層強くなりました。  現在、中橋整備検討委員会の中で、国、県、市の役割分担などについて協議を行っているほか、国が橋梁設計の基礎となる測量、地質調査、予備設計を実施するなど、長年の課題であった中橋架け替えの早期事業化に向け、一歩一歩着実に進展していると意を強くしているところであります。  このような中、私は中橋架け替えの重要なポイントとして、そのシンボルである3連アーチを継承することが挙げられると考えています。これは、地元の皆様の強い要望でもありますが、豊かな山並みを背景にした緑の中橋、夜空に映え、川面に映し出されるイルミネーションなど、まさに足利市を代表するランドマークとも言える、すばらしい景観がそこにあるからであります。このことから、この3連アーチを中心としたすばらしい景観を将来にわたって守り、受け継いでいくことができるよう、引き続き国、県に対し、しっかりと要望することはもとより、早期の事業化に向けて、着実かつ積極的に役割を果たしてまいります。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) ただいまの答弁で、現在の進捗状況と今後の対応について承知しました。  しかしながら、中橋は一斉に架け替えるまでには相当期間を要すると考えられます。その間、令和元年の台風第19号に匹敵するような豪雨があるかも分かりません。ですから、水防活動を実施するなど、問題を解決していただきたいと思います。  それから、あと令和元年5月に実施した利根川水系連合・総合水防演習の際、渡良瀬河川にかなりの土を盛り込みました。ところが、台風第19号の後、私はあそこへ行って見てきましたけれども、大方流れてしまっているような感じであります。したがって、下流のほうにおいて、特に中橋周辺においては河床が上がっているという感じがしてなりません。砂利をもう少しすくって取っていただくとか、そういうような方法を講じて、いわゆる水の流れをよくしていくことも必要かなと、こんなふうに思っております。  河川管理者である国や県との連携が必要不可欠でございますが、ぜひこれから建て替える中橋については、足利市の名物、象徴であります3連アーチを想定して、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。  次の質問に入ります。浸水被害の対策について、先ほどの質問の中でも触れましたが、令和元年の台風第19号による豪雨により、富田地区や毛野地区をはじめ、市内各所で広範囲にわたり大規模な浸水被害が発生し、市民生活や企業活動などに大きな打撃を与えました。本川からの逆流を防止するため水門を閉鎖したことが、被害を大きくしたとの指摘も耳にしているところであります。今後、このような大規模な浸水被害を抜本的に回避するためには、大規模な河川改修や排水路の整備などが必要となります。なかなか簡単には進まないということは十分に認識しております。しかしながら、災害に強い安全安心なまちづくりを進めるためには、これらの被害をいかにして少なくするかという努力は怠ってはならないと考えています。  少子高齢化が進んでいる中、住むなら、自然や文化に恵まれ、災害にも強い足利と言ってもらえるようにしなければならないと思います。そのために、市街地の中央を流れる渡良瀬川はもとより、その支川である一級河川の防災対策が急務であると考えます。渡良瀬川は国の直轄河川であり、その整備は国、その他の一級河川は、その管理者である栃木県が整備をして行うこととなっております。市もそれらの整備に対し、しっかりと要望活動を実施するとともに、国、県との連携した排水路の整備を行うなど、積極的に河川の防災対策に関わっていただきたいと思います。  このように、今後、国、県、市が一体となって浸水被害を軽減する対策を講ずるべきと考えますが、所見をお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 花澤都市建設部長。   (花澤 繁都市建設部長登壇) ◎都市建設部長(花澤繁) ただいまの御質問にお答えします。  令和元年の台風第19号では、観測史上最大の総雨量を記録し、市内各所で大規模な浸水被害が発生しました。その際、渡良瀬川に流れ込む支川への逆流を防止するため、それぞれの管理者が水門の閉鎖操作を実施しました。しかし、一方で水門閉鎖の情報を地域の皆様に伝達することができませんでした。このことは、喫緊に解決すべき最大の課題として捉えているところです。  そこで、令和2年1月末には、国、県、市の3者で構成する浸水対策検討会議を組織し、浸水被害の原因やその軽減を図るための方策について、早速協議を開始しました。現在、その中で水門の開閉操作に係る情報をそれぞれが共有し、その情報を一元的に管理するとともに、より有効に活用する体制を整備するための検討を行っているところです。  また、今年の出水期までには、市内各所の普通河川や毛野東部工業団地の調整池に堆積した土砂の撤去などの工事を本市が実施するほか、一級河川旗川においても、同様の工事を国や栃木県に行っていただく予定です。  さらに、できる限り早い時期に、閉鎖操作の情報を地域の皆様に伝える防災施設を朝倉町の水門に設置する予定です。また、渡良瀬川河川事務所が管理しているその他の水門についても、同様な施設を設置していただけるよう要望をしていきたいと考えています。今後とも、ハード、ソフトの両面で何ができるのか、しっかりと議論をしてまいります。  さらに、今後浸水被害をより軽減するための中・長期的な計画を策定することはもとより、国や栃木県と適切に連携を図りながら対策を講じるなど、災害に強い安全安心なまちづくりを推進してまいります。 ○議長(柳収一郎) 酉田智男議員。   (23番 酉田智男議員登壇) ◆23番議員(酉田智男) 時間がありませんので、まとめに入ります。  ただいま市長をはじめ市当局から、引き続き災害に強い安全安心なまちづくりを積極的に推進していくという強いお気持ちを確認することができました。今後とも、足利市長の行動力と巧みな行政手腕、強い人脈を遺憾なく発揮していただき、また関係職員が一丸となって取り組むこと、これらによって初めて本市の長年の課題であった中橋付近の堤防のかさ上げ、それに伴う中橋の架け替えが実現するものと確信をしております。  さらに、国や県との連携で様々な浸水対策を講じることによって、災害に強い安心安全な足利市を成し遂げられるものであります。引き続き、様々な面でしっかりと取り組んでいただくことをお願いいたしまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(柳収一郎) この際、暫時休憩いたします。  なお、再開は午後1時5分といたします。   休憩 午後0時03分                           再開 午後1時05分 ○議長(柳収一郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑にあわせて一般質問を継続して行います。  5番、末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 発言の機会をいただきましたので、通告に従い順次質問をしてまいります。  防災行政のうち、河川に関するハード対策についてお伺いいたします。令和元年台風第19号は、比較的災害が少ないと言われていた本市にも甚大な被害をもたらし、防災体制の在り方について多くの課題を突きつけました。  令和元年第5回市議会定例会の一般質問では、私も含め多くの議員が本件について取上げ、問題意識を共有したところです。その中でも、堤防のかさ上げ、河川のしゅんせつ、水門の整備など、ハード対策は防災の要となる重要な政策であることは、御承知のとおりであります。  そこで、市内を流れる渡良瀬川などの河川に関するハード対策について、発災から令和元年第5回市議会定例会での議論を経て、現在の進捗と今後の方向性についてお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員質問に対し、当局の答弁を求めます。  和泉 聡市長。   (和泉 聡市長登壇) ◎市長(和泉聡) 5番、末吉利啓議員の御質問にお答えします。  令和元年台風第19号では、本市における降り始めからの総雨量が観測史上最大の約260ミリを記録し、堤防の決壊や越水など、市内各所で大規模な浸水被害が発生しました。改めて、防災対策としての河川整備の重要性について、より一層認識を強くしました。  本市が管理する普通河川については65カ所、約1億6,000万円の被害が発生しました。また、国や県が管理する一級河川についても30カ所、約6億円の被害が発生するなど、これまでにない甚大な被害となりました。被災後、直ちに職員による応急手当てに着手しましたが、災害の規模が想像以上に大きく、本市の力だけでは対応することができないものでした。  そこで、私自ら国土交通省や財務省に出向き、被災状況を説明するとともに、特段の支援をお願いしてきました。その後、国の補助金を活用するとともに、河川管理者である国や県と適切に連携を図りながら、被災した河川の復旧工事を実施してきました。現在では、おおむね見通しも立ってきたところであり、併せて市民生活や企業活動の復興に向けた取組も積極的に進めています。  一方、災害から約5か月が経過したところでありますが、災害直後から被災した地域に繰り返し足を運び、その惨状を目にしてきた際の心の痛みは、今も決して忘れることはできません。  このことから、今後一級河川の管理者である国や県と連携を強化し、また地域の皆様と情報交換をしながら、令和2年の出水期までにできることは着実に実施していきます。一方で、時間を要する一級河川の整備などについては、引き続き、国や県と連携協議を積極的に続けていくという2段構えで対応してまいります。  いずれにいたしましても、河川の防災対策については早急に取り組むべき重要な課題でありますので、引き続き一級河川の管理者である国や県と適切に連携を図りながら、着実かつ積極的に推進してまいります。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。  今回の台風第19号により浮き彫りになったハード対策の課題に、水門があります。水門には、本流から支流への逆流を防ぐなど、重要な役割があります。渡良瀬川は、源流域から市街地までの距離が短く急峻であることから、短時間で水位が上昇する特徴があります。そのため、本市の水門の役割は、非常に重要であることは言うまでもありません。しかし、今回逆流を防ぐために閉鎖した水門の操作情報が地元住民に伝わらなかったことから、避難の遅れや被害の増加につながったとの指摘がありました。  今回の予算案に、都市下水路防災設備設置工事費として200万円が計上され、対象として朝倉樋管が選定されています。今回の台風第19号により、朝倉樋管では水門を閉鎖し、水路からあふれた水が周囲の住宅を襲い、隣の福富町まで広範囲に被害をもたらしました。  今回整備するのは、水門樋管の操作情報を知らせる設備とのことですが、改めて設備の詳細についてお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 花澤都市建設部長。   (花澤 繁都市建設部長自席にて答弁) ◎都市建設部長(花澤繁) 朝倉樋管、こちらにつきましては本市が設置をし、管理をしているものでありますが、この水門につきまして、閉鎖操作をする際に、地域の皆様の目や耳に直接訴えかけることができるような、的確な防災施設を設置してまいりたいと考えております。  防災施設の概要についてでありますが、これから、同様の施設を設置しております先進的な自治体、さらには専門メーカーから、どのようなものがいいのかといった情報を得るとともに、一級河川渡良瀬川のそばに設置してございますので、そちらの管理者である渡良瀬川河川事務所とも十分に協議をして、地域の特性などに応じた、適した防災施設を選定し、設置してまいりたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 恐らく一般的な回転灯や吹鳴機が整備されるものと思われますが、地域に応じたものを設置していただけるよう、よろしくお願い申し上げます。  また、水門の開閉状況をホームページやSNSなどを使いまして、ネット上で公開している自治体もございますので、こういったことも併せて御検討いただきたいと思います。  再質問いたします。同様の被害が発生した水門、樋管には、旗川に流れ込む出流川水門、尾名川水門や渡良瀬川に直接流れ込む梁田樋管などがあります。  そこで、これら朝倉樋管以外の水門、樋管への操作情報発信設備の整備についてどのように行っていくのか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 花澤都市建設部長。   (花澤 繁都市建設部長自席にて答弁) ◎都市建設部長(花澤繁) 現在、国、県、市の関係者で構成をしております浸水対策検討委員会といったものを組織いたしまして、令和元年台風第19号で市内各所に大規模な浸水被害が発生しましたので、それらをいかに軽減するかといった方策について、現在検討を進めているところであります。  先ほど御質問いただきました三つの水門それぞれにつきまして、そちらは渡良瀬川河川事務所が設置をいたしまして、管理をしているものであります。そういったことから、浸水対策検討会議の中で、渡良瀬川河川事務所と十分に協議をするとともに、今後より適切な方策を講じていただけるように、積極的に要望してまいりたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) こういった設備であれば、比較的事業費も小規模かつ短い工期でできますので、今後とも積極的に検討、要望をお願いいたします。  再質問いたします。今回の台風第19号では、中小河川の溢水、越水が続発しました。本市河南地区を流れます矢場川と姥川については、現在整備中でありますが、大雨の際には頻繁に溢水、越水を起こしております。これまで、山辺、矢場川、御厨、筑波、梁田、久野の6地区の自治会で組織された矢場川・姥川改修促進期成同盟会と県議会議員により、毎年早期完成を目指した要望活動を行ってまいりました。こちらも、一日も早い整備の完遂が求められますが、今後の整備工事の見通しについてお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 花澤都市建設部長。   (花澤 繁都市建設部長自席にて答弁) ◎都市建設部長(花澤繁) 今御指摘ありました一級河川の矢場川と姥川についてであります。  これまでも、大規模な浸水被害の原因となるようなことも生じておりますので、地元で組織をされております団体とも適切に連携をしながら、河川管理者であります栃木県に、積極的に整備をしていただけるように要望してまいりました。実際その結果、それぞれの河川につきましては、整備を進めていただいているような状況にあります。  その中で、矢場川につきましては、全体延長約6.9キロメートルあります。現在は、南大町の本郷橋の区間まで、約6.2メートル区間が整備を完了しております。現在は、その上流になりますが、同じ南大町の飯堀橋下流の護岸工事を実施していただいているところであります。  また、姥川につきましては、全体延長といたしましては5.5キロメートル、そのうち久保田町の久野橋の上流まで約2.2キロメートルの区間の整備が完了しております。さらに上流、塩島橋まで約3.3キロメートルの区間の整備を行っていただくということで聞いておりまして、現在そのための調査を実施しているところであります。  また、令和2年度から国の社会資本整備総合交付金を導入して事業を実施していただくということで、国への要望も行っていると聞いております。そういったことから、引き続き矢場川、姥川それぞれの河川整備が早期に完了していただけるように、これまで同様栃木県に対しまして、積極的に要望活動を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 今回の台風第19号で、早急な整備の必要性が再確認された本市河南地区防災の重要なハード対策であります。これからも、さらなる国、県との連携推進をお願いいたします。  次に、ハード対策に比べ比較的低予算かつ短期間で効果が上げられるソフト対策についてお伺いいたします。  まずは、令和元年第5回市議会定例会の一般質問でも取り上げられた、地区防災計画についてです。地区防災計画は、地域のコミュニティにおける自発的な防災活動に関する計画であり、災害に強いまちづくりにとって、重要な役割を果たすと考えられています。  本市では、県が実施する地区防災計画策定促進事業において、令和2年度にモデル地区を選定し、同計画の策定促進を図るとのことでありましたが、事業の内容と今後の展望についてお伺いいたします。  次に、避難所についてです。今回の台風で、避難所の指定の仕方、運営方法、開設基準、設備など、様々な課題が明らかになりました。特に、避難したくても歩いて行ける距離に避難所がない、避難所へのルートが冠水をしていて避難できない、避難所がいっぱいで避難できなかったといった声が多数聞かれ、避難所の数、そして位置についての課題は大きいものと考えております。令和元年第5回市議会定例会において、避難所の見直しを検討するとの答弁がありました。  そこで、具体的な見直しの方法や、今後のスケジュールなどの考え方についてお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 和泉 聡市長。   (和泉 聡市長登壇) ◎市長(和泉聡) ただいまの御質問にお答えします。  初めに、栃木県が実施する地区防災計画策定促進事業の内容と、今後の実施に向けた取組についてです。東日本大震災以降、その教訓を踏まえ、国は平成25年6月に災害対策基本法を改正し、地域コミュニティにおける共助による防災活動の推進の観点から、地区居住者による自発的な防災活動に関する地区防災計画制度を創設しました。  栃木県では、これを踏まえ、令和元年度から内閣府が策定した地区防災計画ガイドラインに基づき、地区防災計画策定促進事業を開始しており、本市は令和2年度に当該事業の実施を予定しています。この地区防災計画策定促進事業は、災害時の迅速な避難行動の実現や、地域住民の防災意識の高揚、地域防災力の強化を図ることを目的とし、災害図上訓練、防災マップづくり、避難所運営ゲームなど、4回にわたる研修を通し計画を策定するものです。  今回の台風第19号の経験により、本市としては地域コミュニティにおける共助による防災活動の重要性を再認識したところであり、今後、自主防災組織連絡協議会と連携して、一つでも多くの自主防災会に地区防災計画を策定していただけるよう支援してまいります。  次に、避難所の具体的な見直し方法と今後のスケジュールについてです。現在、本市の指定避難所は、公立小学校の体育館をはじめとする37施設であり、また各自主防災会が自主的に指定している一時避難場所は、市内の222防災会全てに設置されております。このうち、本市の指定避難所については、避難者の収容スペースが十分でないことや、避難所に指定できる公共施設が不足しているなどの課題が挙げられます。その対策として、令和元年6月に駒場町の東松苑ゴルフクラブ、令和2年2月には学校法人足利大学との間で、災害時における緊急避難場所としての施設利用に関する協定を締結いたしました。本市にとって大変心強く、御協力いただく施設管理者に深く感謝する次第であります。  避難所の確保につきましては、今後とも随時、民間施設との連携について協議をしてまいります。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。  改めて、令和2年度本市で実施される地区防災計画策定促進事業の詳細な手順や内容についてお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 平澤総務部長。   (平澤敏明総務部長自席にて答弁) ◎総務部長(平澤敏明) 県が実施いたします地区防災計画策定促進事業であります。令和元年度から2か年で、県内の全市町において1か所ずつモデル地区を選定いたしまして、計画策定を支援していこうというものであります。  具体的には、全4回のカリキュラムから構成されておりまして、第1回目は、防災意識の高揚を図るための基調講演、第2回目には、防災ゲームを通した当該地区の防災上の特殊性の分析や危険箇所の確認、第3回目には、地域の地図を用いて地域の課題の抽出、日頃の防災活動体制、災害発生時や災害復興時の活動、防災訓練、防災活動の啓発などを検討します。その上で、第4回目にこれまでの検討を踏まえた上で、活動目標の設定や今後の活動を議論し、地域に即した地区防災計画をつくり上げる、こういう流れになります。  策定いたしました計画につきましては、地区住民へ周知するとともに、避難訓練などを通して、地域の防災力の向上につなげていくことになります。  また、令和2年度以降につきましては、地域の方々が自主的に見直しを行い計画の更新をしていく、こういうことになります。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 何分県も市も初めての試みで、策定までには様々な困難が予想されます。  そこで、再質問いたします。市内には、222の自主防災会があります。それぞれ防災に対する意識に濃淡があると考えられ、啓発や調整など、大変な苦労が予想されます。令和2年度、モデル事業として同計画を1か所策定できたとして、残り策定すべき自主防災会は221です。しかも、初年度モデル事業の際には、県からの応援として職員等、あるいは防災士の方々が派遣をされるわけでありますが、それ以降に関しましては、原則市の職員でやっていかなければいけないわけであります。  そういった中で、この残り221か所の自主防災会での同計画の策定、何年かけて行っていく算段なのか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 平澤総務部長。   (平澤敏明総務部長自席にて答弁) ◎総務部長(平澤敏明) 議員御指摘のとおり、222全ての自主防災会が短期間のうちに、この計画を策定することは困難であります。しかしながら、令和2年度まず1か所、1地区であっても計画を策定することに大変意義があるかと思っています。  そこで、令和2年度のモデル事業につきましては、市の危機管理課職員も積極的に関わってまいります。計画的に、計画策定のための必要なノウハウを、モデル地区と一緒に学びたいと思っております。その上で、翌年度以降はモデル地区を他の地区へ拡大していくわけですが、その際には危機管理課職員は計画策定のお手伝いをするとともに、初年度に計画策定した地区の方々の力もお借りしながら、さらなる拡大を図っていきたいと思っております。  これを積み重ねることによりまして、県の力に頼ることなく、市の力でできるだけ早期に全ての自主防災会が、地区防災計画の策定ができるように促してまいりたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 先ほど市の職員がノウハウを学んでというお話がありましたが、危機管理課の職員の増強のお話、前回させていただきましたが、今のところ兼務辞令ということで、そういったお話もありますが、平時での職員の不足というものもあります。また、これに割ける人材の不足という部分もありますので、その点について再質問をいたします。  一つでも多くの自主防災会に地区防災計画が策定される手段を検討するとのことですが、効率的に策定を推進するために、私から2点提言をさせていただきます。  まず、地区連合会のような小学校区の地縁組織の活用を提言いたします。初期段階では、自治会単位でなく小学校区単位で、策定にたけたキーマンを育成し、推進役を増やします。そこから、各自治会、自主防災会に展開をしていくことで、効率的に策定が進むと考えられます。もちろん各地の防災リーダーや防災士の資格を持った方も、心強い推進役になり得るはずです。  次に、初年度のモデル事業に、当該地域以外の方に参加していただくことを提言します。地域に関係なく、防災に関心のある方にオブザーバーで参加をしていただき、ノウハウを学んでいただきます。そして、その方たちに令和3年度以降、各地で策定に関わっていただきます。やはりやる気のある市民の力を借りることは、非常に有効だと考えます。  以上2点について、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 平澤総務部長。   (平澤敏明総務部長自席にて答弁) ◎総務部長(平澤敏明) 2点御提案いただきました。  まず、1点目の地区防災計画策定の推進役となるキーマンについてでありますが、議員も御提言されておりましたが、計画策定に当たりましては、地区の推進役の存在というのは非常に大きいものだと思います。そして、その推進役につきましては、やはり足利市におきましては約1,900人ほどいらっしゃいます防災リーダー、この方々の力をお借りしてはと考えております。  今後、防災リーダーに地区防災計画策定の推進役となっていただくかどうかにつきましては、自主防災組織連絡協議会と相談しながら、検討してまいりたいと思います。  また、2点目のモデル事業への他の地域の方の参加につきましては、県事業ということもありますので、県との協議が必要と思われます。その結果を踏まえて対応してまいりたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 試行錯誤の連続だとは思いますが、一日も早い目的達成のため、様々な方法を御検討ください。  次に、避難所について再質問いたします。随時、民間の施設や大学、高等学校等との連携について協議をしていくとの答弁がありましたが、令和2年2月、足利大学と災害時における緊急避難場所としての施設利用等の協力に関する協定が結ばれました。指定避難所に比べ、緊急避難場所は、そこで避難生活をする前提ではなく、あくまで命を守る一時的な避難所という位置づけから、民間施設にも協力を依頼しやすい側面があります。  今回の協定締結について、改めて経緯と意義をお聞かせください。 ○議長(柳収一郎) 平澤総務部長。   (平澤敏明総務部長自席にて答弁) ◎総務部長(平澤敏明) 本市では、足利大学との間で、平成27年9月に包括連携協定を締結しております。その中に、相互の人材や施設を有効活用し、地域の課題に適切に対応するため連携していく、このことがうたわれております。  今回は、防災の観点から市民の緊急避難場所や帰宅困難者の一時滞在場所として、足利大学の施設利用は非常に有効であると、この視点から協定の締結に至ったものであります。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。  私の住む梁田地区には、半径1キロメートル以内に指定避難所がなく、一時避難場所も高く頑丈な建物ではないため、水害には適さない地域であります。適切な場所に立地する民間施設に対し、今回の足利大学のように協定を結び、緊急避難場所としての協力要請を積極的に検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 平澤総務部長。   (平澤敏明総務部長自席にて答弁) ◎総務部長(平澤敏明) 公共施設には限りがございます。したがいまして、民間施設を緊急避難場所として活用することは、大変重要な視点であると思っております。  そこで、引き続き緊急時の避難場所を提供していただける民間施設を探すことと並行いたしまして、現在実は222の自治会の自治会長に対して、台風第19号を振り返るアンケート調査を実施しております。このアンケート調査の中で、避難場所についての項目も設けました。この結果を踏まえまして、適切な施設がいろいろな地区から出てくれば、その施設に対して協力いただけるような働きかけを行ってまいりたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 度々地元の話になりますが、梁田地区の中でも、福富町西部は北に渡良瀬川を背負い、先ほどの朝倉樋管にも近い場所であります。そして、指定避難所である梁川小学校までは3キロメートルほどあり、水害時には周辺が道路冠水をします。住民も危機感を持っておりますので、早急な働きかけをお願いいたします。  次に、一時避難場所について再質問いたします。こちらは、万が一の場合に少しでも安全が確保できる公共の場所や、集合して安否を確認するために、一時的に集結する場所とされ、自主防災会が指定しています。しかし、自主防災会が組織された数十年前に指定されたものもあり、住民や指定されている施設側に、指定されている事実や、その際の受入れ体制など、どれほど引き継がれているか心配な部分があります。  特に民間施設については、再度確認をする必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 平澤総務部長。   (平澤敏明総務部長自席にて答弁) ◎総務部長(平澤敏明) 議員おっしゃいますとおり年数を経過いたしますと、自主防災会の会長も代わられて、一時避難場所の位置づけでありますとか、受入れ側との意思疎通がなされなくなることも想定されます。  そこで、これまでも一時避難場所の必要性につきましては、防災講話でありますとか、地区合同防災訓練などを通して啓発してきたところでありますが、今後はさらに自主防災会との連携を図りまして、機会あるごとに市民の皆様に防災意識の啓発を図っていきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。  一時避難場所の一覧を見ますと、今回のように大規模な水害では避難できないような建物のない公園やグラウンド等が散見されました。適切な建物が立地する地域では、水害はここ、地震はここといった具合に一時避難場所の指定分けを検討し、その周知を徹底する必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 平澤総務部長。   (平澤敏明総務部長自席にて答弁) ◎総務部長(平澤敏明) 災害の種別ごとに一時避難場所を指定することは、防災、減災のためにも大変重要であります。  今回、台風第19号を経験いたしまして、既に幾つかの自主防災会からは一時避難場所の在り方について相談をいただいております。今後とも、各自主防災会に対して、機会あるごとに一時避難場所の在り方の啓発を行うとともに、引き続き個別相談にも積極的に応じてまいりたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 先ほど機会あるごとにという答弁がありましたが、ぜひ待ちの姿勢ではなく、積極的に確認、見直しを促す攻めの啓発を行っていただきたいと思います。  今回は、令和元年台風第19号の経験から明確化した課題に対し、ハード対策とソフト対策に分けて議論をさせていただきました。  ハード対策については、膨大な予算を必要とするものも多いため、国や県への要望が中心であります。今回の水門の操作情報発信設備のように、市でできることをまず予算化し、積極的に取り組んでいただけたことは、本市の姿勢を市民に示す上で、大変重要であったと考えます。  ソフト対策については、まず職員や財源には限りがあるという前提を市民の皆様に理解していただけなければなりません。そして、これからは自助、共助の力を育て、それを行政が全力で支えるという方針に方向転換を図ることが重要と考えます。そのためにも、私自身、微力ながら各所において説明や議論等を繰り返していきたいと思います。  次の質問に移ります。文化財の保護と活用についてのうち、史跡足利学校等の防災・防火対策についてお伺いいたします。2019年は、世界遺産であるパリのノートルダム大聖堂や、沖縄の首里城跡に再建された正殿等が火災に見舞われるなど、貴重な文化財の被害が目立つ年でありました。また、近年大型化する台風や大規模な地震などで被害を受ける文化財も後を絶たず、石垣ごと崩壊した熊本城の姿は、御記憶にも新しいと思います。  そこで、質問いたします。本市のシンボルであり、世界的にも貴重な国宝書跡を有する史跡足利学校では、どのような防災・防火対策を取っているのでしょうか。  また、足利市立美術館の収蔵庫は地下に設けられております。令和元年台風第19号の際には、中橋からの越水による浸水被害が危惧されました。同館では、本市の貴重な文化財や美術作品等を保管していますが、水害を初めとする災害への防災体制、防火体制の現状についてお伺いいたします。  最後に、本市の文化財や歴史資料、埋蔵品、民具等が保管されている足利市郷土資料展示室、月谷民俗資料室、足利市ふるさと学習・資料館について、これらの施設の防災体制、防火体制の現状についてもお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長登壇) ◎教育次長(邉見隆) ただいまの御質問にお答えします。  まず、史跡足利学校では、放水銃、消火栓、復原建物のドレンチャー、自動火災報知機等を設置し、点検を行い防災・防火に努めています。  また、夜間等は赤外線センサーで侵入を防ぐとともに、万が一近隣火災が発生した場合は、電話回線でドレンチャーを稼働させることもできます。国宝書跡は、鉄筋コンクリート造り、高床式の収蔵庫に保管し、火災や地震、水害に対処しています。これら防災・防火設備を有効に活用させるよう、文化財防火デーに合わせて毎年消防訓練を実施しています。  次に、市立美術館では、水害時における地下収蔵庫保管の美術作品の搬出や、火災時の対応については、災害対応マニュアルに基づき実施することになっております。令和元年台風19号によって得た教訓も、新たにこのマニュアルに加え、職員間の共有化を図っているところです。今後も、定期的な館内ミーティングを実施し、マニュアルの見直しを行っていく予定です。  次に、郷土資料展示室、民俗資料室及びふるさと学習・資料館では、火災から貴重な文化財を守るため、3施設とも自動火災報知設備を設置し、毎年点検を行っております。このように、いずれの施設においても引き続き設備の維持点検と職員の危機管理意識を高めることで、防災・防火体制を充実させてまいります。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。  史跡足利学校の方丈などの建物は、復原から30年が経過しています。また、国から重要文化財指定を受ける可能性がある日本最古の孔子廟、大成殿の保存修理工事も間もなく完了します。  こうした状況を鑑み、さらなる防災・防火体制の強化が求められると考えますが、現状の課題についてどのように捉えているか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 足利学校の防火設備の多くは、平成2年に完成した復原整備の際に設置したものがほとんどでございます。設置から30年経過していることから、機器の更新等も必要になってくるものと考えております。  毎年行われる消防訓練でのドレンチャーの中には、さび等で目詰まりを起こしているようなものも見受けられ、そのたびごとに清掃するということを行っております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。  先人より連綿と受け継いだ歴史ある足利学校は、近年さらに重要性と価値が増しています。そんな市民、国民の宝である足利学校と、所有する文化財を守るべく、これらの課題を解決する必要があります。  そのためにも、史跡足利学校跡保存活用計画にのっとり、防火体制の強化が求められます。特に、防火の要であるドレンチャー設備は、先ほどの答弁のあったとおり、老朽化により一部目詰まり等を起こしており、本来の機能を発揮できない可能性があります。早期の更新を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) ドレンチャーの設備につきましては、かやぶき屋根に取り付けられているものでありまして、本格的な改修については今後実施する予定であります屋根のふき替えとともに実施するのが効率的であり、理にかなったものであるのではないかと考えております。  そのため、今現在、足利学校においては、令和2年度から2年間をかけて第2次保存整備計画を策定する予定でございます。この計画の策定に当たっては、文化庁や栃木県教育委員会と協議しながら、よりよい防災・防火対策の在り方についても、この計画の中に入れていきたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 屋根のふき替えに関する基金もそろそろたまってくるかと、また史跡足利学校跡保存活用計画を策定することによって、国からの財政支援もある。こういった環境が整っておりますので、なるべく早く対応できるようにお願い申し上げます。  再質問いたします。防災・防火対策の手法として、平成28年第2回定例会において、文化財のデジタル化について提言をさせていただきました。文章や絵画などを高精細のカメラで撮影し、データとして保存活用するデジタル化は、ほかにも調査研究の推進や観光活用、まちのブランディングなど、様々な効果が期待できます。その後実施された、門前をはじめとした足利学校国宝書跡のデジタル化事業について、進捗をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 国宝書跡、漢籍等のデジタル化ですが、幸いにも平成29年度に早稲田大学の稲畑先生の研究の一環ということで、中国北京大学の協力を得てデジタル化をすることができました。  デジタル化できた資料につきましては、国宝書跡については全部であります。4種77冊全部をデジタル化いたしました。また、その他重文等の書籍、10種105冊についてもデジタル化は進んでいるところでございます。
    ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 国宝書跡のデジタルデータについて再質問いたします。  歴史的価値に関する課題もあると思いますので、全てとは言いませんが、元号の典拠となった部分等、代表的な箇所をデータとして一部公開をできないものでしょうか。先ほど述べたように、調査研究の推進や観光活用の効果も期待できます。  また、その他の文化財指定されている書籍についても、前述の効果を鑑み、さらなるデジタル化の推進をすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) デジタルデータの公開活用については、国宝書跡の中の、平成の典拠となった部分をデジタルデータ化し、引き延ばして写真パネルとして展示し、好評を得ております。今後とも、デジタル化したデータを機会を見て、展示等で活用していきたいと考えております。  また、その他の書籍のデジタルデータ化、あるいは公開については、今後いろいろ研究していく課題とさせていただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 続いて、市立美術館について再質問いたします。  水害に際しては、災害対応マニュアルに基づいて地下収蔵庫の収蔵品を上層階に避難させる方針とのことですが、それにはどれぐらいの時間が必要なのでしょうか。  また、実際に避難や訓練を実施したことがあるのかお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 中橋のたもとにある市立美術館でございますが、渡良瀬川のダムが放流を始めると約2時間前後で、その水が足利市内に到達すると言われています。  これを基にしまして、避難優先順位の高い収蔵品から上層階へ避難をさせることになっております。ただ、この2時間の中で作業をするということではなく、それ以前から早めに対応を取りつつ、2時間で最終的に収蔵品を上層階に上げるということで、現在対応しております。  また、実際に避難したりとか、訓練の回数ですが、直近5年間ですと、令和元年台風第19号のときも避難をさせましたが、避難は2回、訓練については毎年行ってきております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 次に、防火について再質問いたします。  万が一上層階で火災があった場合、消火のために放水された水は、下層の美術館や収蔵庫に流れ込むことはないのでしょうか。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) これまで上層階での火災は起こっておりませんが、万が一そういうふうになった場合、基本的には各階で十分な防水措置が施されておりますので、下層階への影響は少ないものと考えております。  また、市立美術館と、マンションの3階部分の展示室上部に当たる陸屋根の部分には、防水措置がなされているとともに、排水溝が設置されております。これによって、上部からの水に対応するような形になっております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 市立美術館については、重要水防箇所となっている中橋が目の前にあり、水害により浸水する可能性や、先ほどの答弁では全くないとの御答弁でありましたが、火災の消火活動による浸水の可能性、あるいはクラックのある部分から水が入ってくる、そういったことも考えられるわけでありますので、全くないとは言い切れない部分があると思います。  そういった可能性がある中、災害対応マニュアルによる搬出といったソフト対策で、収蔵品を守っている現状を改めて確認したところであります。今できる短期的な危機管理については、一定の評価ができると考えます。  次に、足利市郷土資料展示室、月谷民俗資料室、ふるさと学習・資料館について再質問いたします。それぞれ本市の文化財や歴史資料等が保管されている施設でありますが、全て役割を終えた遊休施設を再利用しています。郷土資料展示室と月谷民俗資料室は老朽化した木造建築で、セキュリティーや防火に課題があると感じています。ふるさと学習・資料館については、鉄筋コンクリート造りではありますが、土砂災害警戒区域にあるため、土砂崩れなどがあった場合、中の展示品はひとたまりもありません。  以上の3施設の防災・防火に関する課題について、どのように認識しているのか、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 御指摘のありました月谷民俗資料室、あるいは郷土資料展示室については、木造の建物であります。また、ふるさと学習・資料館については、土砂災害警戒区域にあるということで、3施設とも防災等には限界があることは十分承知しております。  今現在定めております足利市公共施設再編計画、この中では安全な地域へ集約化していくということを考えております。併せて、防災についても検討してまいりたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 今まで質問してきたこれらの施設について、総合的な視点から再質問いたします。  市立美術館は、避難訓練はしているものの、水害、火災の際の浸水の危険性があり、中橋の架け替えまでには時間もかかります。足利市郷土資料展示室、月谷民俗資料室は、老朽化等により防火の面で、ふるさと学習・資料館は、防災の面で限界があります。  これらの状況を客観的に見ますと、足利市の宝であり、まちの個性であり、強みである歴史資源を安全とは言えない状況下に数十年置き去りにしてきた。それが、歴史と文化のまち足利の実態です。厳しい言葉ではありますが、そう申し上げざるを得ません。  過去にも、何度も提言をしておりますが、足利市公共施設再編計画が策定される今こそ、市立美術館も含めた文化財保存展示施設の在り方、足利市民がまちの歴史をどう扱うかを本格的に議論すべきではないでしょうか。  今回は、防災・防火の視点から提言をさせていただきました。文化庁も、災害等から文化財を護るための防災対策促進プランとして、12の事業を前年度比約4倍の80億5,800万円で令和2年度予算に計上しています。こうした国の動きに、歴史と文化のまちが呼応しない理由は見当たりません。本格的な文化財保存展示施設の議論について、改めて御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 答弁の繰り返しになりますが、先ほど示した足利市公共施設再編計画、この中で3施設の集約化を計画しております。  本市にふさわしい文化財保存展示施設の在り方については、今後も引き続き検討ということにさせていただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) この議論は、これまで多くの先輩議員からも強い提言がなされてきましたが、財政という言葉の前に、いつも前進を拒まれてきました。  そして、公共施設の更新、再編というさらに大きな壁が、我々の前に立ちはだかっていることも承知しています。しかし、受け継がれてきた歴史と文化は、我々だけのものではありません。刀剣ブームで有名になった布袋国広であれば約400年、足利学校の門前であれば約800年、史跡藤本観音山古墳であれば約1,700年もの間、紆余曲折はあったものの、壊されず、紛失せず、焼かれずに先人たちが守り抜き、今の我々、そして我々の子孫が目にすることができるわけです。どうか私たちの宝が、火災や災害で失われる前に、大局的な観点で本格的な議論を進めていただけるよう強く御提言申し上げて、次の質問に移ります。  足利の文化財一斉公開についてお伺いいたします。足利の文化財一斉公開は、通常非公開となっているものを中心に、多くの文化財を展示、公開し、市内外から多くの見学者を集めている事業です。平成18年度の初開催から14回を数え、公開箇所数も年度により増減はありますか、当初の40か所から大幅に増加し、令和元年度は67か所となりました。  実は私自身、足利市の魅力とポテンシャルを再認識するきっかけとなった事業でありまして、足利市の歴史のポテンシャルに感銘し、もっと多くの方に、これらの文化財を見ていただきたいと感じるようになりました。その後、幾度となくボランティアガイドとしても参加をさせていただき、多くの観光客の方から、私と同様の感想を頂きました。さらには、昨今、同様の事業が笠間市、かすみがうら市など、茨城県でも実施されるようになり、文化財の公開と活用の流れは、確実に伝播し始めております。  そこで、これまでの同事業に対する評価と課題についてお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長登壇) ◎教育次長(邉見隆) ただいまの御質問にお答えします。  本市の文化財一斉公開は令和元年度で14回を数え、特に市内全域にわたる指定文化財の公開は、他に類例のない歴史と文化のまちにふさわしい事業となっております。  まず、お尋ねの評価についてですが、参観者へのアンケートからは、「すばらしい企画でぜひ続けてほしい」、「新しい発見もあり解説もよかった」、「回り切れないので、また来年も来ます」など、多くの好意的な感想をいただいております。また、来場者の約半数が市外からの訪問で、観光にも寄与していると考えています。  次に、課題についてですが、マンネリ化という指摘もあり、事業の見直しを図るため、足利の文化財一斉公開事業実行委員会において半年をかけて協議を重ねてきました。その結果、毎年テーマを設定し、それに沿った文化財の特別公開や関連行事、見学ツアーを実施することになりました。なお、令和2年度のテーマは仏教絵画です。  また、今回から御朱印を受けられるところを明示したほか、公開場所近隣の食事場所や、お土産品店を紹介したマップを配布し、市外からの来場者への配慮をしました。今後も、文化財一斉公開に毎年新たな要素を加え、リピーターが増えるよう工夫を続けてまいります。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 当事業の目的達成状況について再質問いたします。  当事業の目的である文化財への市民の理解を深めるためには、地元の方々に協力いただくことが必要不可欠だと考えますが、この点を含め目的達成状況をどのように捉えているか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 本事業の目的、目標としましては、参観者数等をこれまで出してきたところでございますが、現在はスタートから徐々に増えて、公開箇所が60か所、参観者数も2万人ということで、かなりの目的を達成しているのではないかと考えております。  ただ、地元のボランティアについては議員をはじめ、多くの案内ボランティアの参加によって本事業は成り立っているわけでありますが、公開場所によっては、地元の住民の方が率先して、文化財一斉公開に協力、あるいは主催してくれるような事例も出てきております。  そういった方の事例を他の地域の方にも紹介することで、みんなで一緒に取り組むという環境醸成を図っていければと考えております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 今御答弁にあったような先進事例、こういった事例を多くの方々に知っていただく、こういったことは大変重要でありますので、積極的に行っていただきたいと思います。  続いて、参観者数について再質問いたします。第7次足利市総合計画達成調書のKPIには公開箇所数が設定され、一斉公開にふさわしい魅力あるものにして、参観者数を増やすべく公開協力者を数多く募りたいと記されています。つまり、公開箇所を増やして参観者を増やそうという市の狙いが、はっきりと示されているわけです。  そこで、参観者数のこれまでの傾向をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 先ほど答弁したように、現在はここ七、八年ですが、2万人というのが大体横ばいという形になっております。  最初始めたころは1万人ちょっとでありましたが、公開箇所数も60か所以上、そして2万人というのが現在の状況でございます。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 続いて、産業観光部長に再質問いたします。  当事業は、本市のアドバンテージである歴史資源を生かした観光振興に大きく寄与するものだと考えます。第7次足利市総合計画には、一部省略しますが、「足利の誇る歴史文化遺産を磨き上げ、まち歩き観光や市内回遊を促進し、滞留時間の延長を図ります。」と本市の姿勢が示されております。  そこで、改めて当事業の観光振興への可能性をどのように評価しているのか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 岩原産業観光部長。   (岩原幸市産業観光部長自席にて答弁) ◎産業観光部長(岩原幸市) 言うまでもなく足利市の文化財は、足利市の観光にとって大変貴重な資源となっております。  この文化財一斉公開につきましては、2万人ほどの参加者があるということで、本市の観光誘客にも大きな役割を果たしておりますし、またこの事業を続けることによりまして、新たな人気のあるスポット、いわゆる観光スポットも増え、それが足利市の観光を厚いものにしているということもありまして、この事業につきましては、足利市の観光にとって非常に有意義な事業であると認識をしております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓)   第7次足利市総合計画や足利市歴史文化基本構想を見ますと、本事業は本来、文化財への理解と愛護精神の普及に重点が置かれております。  また、足利市の教育目標の七つの柱のうち1番目に、郷土の自然や文化財の愛護と文化の振興が掲げられております。その目標を達成するためにも、大変重要な役割を果たす事業と考えますが、学校教育も含めた生涯学習全体の視点から、同事業の可能性をどのように評価しているのか、お伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 本市の数々のすぐれた文化財、これは本市の宝であり、誇りでございます。  子供たちはもちろん、多くの市民の皆さんに親しんでもらい、大切に保護しなければなりません。  文化財一斉公開ですけれども、子供たちがこどもガイドを務めて、市内外から訪れる方々からも人気を博している、私はすばらしい事業だと思っております。未来を担う子供たちが、生まれ育った我がまち、我が足利市の文化、歴史に誇りを持って、そして保護、振興、発展のために、将来大いに活躍してくれることを期待しております。  天気のよい秋の日に行われる文化財一斉公開でございます。学校教育も含め、生涯学習の全体の視点からも、子供からお年寄りまで、家族ぐるみで楽しめるこの事業は、重要な役割を果たしていると考えております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。  先ほどの産業観光部長、教育長の答弁で、非常に多くのポテンシャルを秘めている事業であることを再確認いたしました。しかし、地元の方への意識醸成、参観者のニーズ調査、参観者増加に向けた広報、教育現場への展開等、ポテンシャルを生かすためにすべきことができていない状況にあります。  その原因の一つとして、事務局たる文化課の容量を超える事業規模の拡大があると考えます。各文化財所有者に協力を呼びかけ、案内書類を作成し、解説文を作り、双方の要望を調整し、当日に向け防犯体制やガイド体制を整え、終わればアフターケアをする。単体だけでも相当な事務量になりますが、それが60か所、70か所ともなれば事務量は膨大になり、担当者は丸1年その対応に拘束されることになります。事業の実施で手いっぱいで、すべきことができていない実態があります。  そこで、職員増強がかなわないのであれば、職員の容量を超える規模を一旦見直して、数から質への議論を深めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 議員御指摘のとおり、この事業は、当初始まったころは4日間展開をしておりました。その後、3日間、2日間と短くなってきまして、事業を見直す中で、令和2年度からは毎年参加をしていただいている公開箇所、この中でも負担に感じているというような場所については、1年置きの参加でも大丈夫ですよという案内を申し上げております。  その結果、現在よりも公開箇所は減少する可能性がありますが、その分公開に熱心な方に参加していただけるものと考えております。  また、先ほど答弁したとおりテーマを設定しました。毎年のテーマに沿った、うちはそのテーマだったら参加できるよというような公開箇所に参加していただき、魅力ある事業になるように工夫をしていきたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) いろいろな御意見もあると思いますが、今後ともさらなる深い御議論をお願いいたします。  再質問いたします。本市の観光客数は右肩上がりに増加し、平成30年には500万人を突破しましたが、当事業はその波に乗れていない印象があります。これだけ多くの方々に協力いただき、他市にまねできない魅力ある事業ですので、本市観光振興のためにも、ぜひともさらなる参観者数の増加を狙うべきと考えます。  そのために、文化課が比較的不得手な広報については、観光振興課やシティプロモーションの担当の全面的な協力が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 先ほど産業観光部長から答弁したとおり、これまでも観光部門と連携しながら広報を行ってまいりました。  今後は、より市外へのPRに重点を置くということで、シティプロモーションの担当も含め、全市で情報発信、PRに取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 最後に、市長にお伺いいたします。  今回の一般質問で私が言いたかったことを一言で言えば、この事業のポテンシャルをもっと生かしていきましょうということであります。そのために、観光と教育の面から可能性を確認し、現状の課題を探り、それを解決するための方法を提言、議論させていただきました。  議会において、歴史博物館建設の質問がなされますと、我がまちでは文化財一斉公開を実施している。これは、まさにまちじゅう博物館であると、文化財一斉公開が博物館の代わりになり得るといった趣旨の御答弁を市長や教育次長はされております。それほど重要視していただいているわけでありますので、さらなる活用を目指し、てこ入れをすべきと考えます。  これまでの議論を聞いた上で、市長の所見や議論の率直な感想をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 和泉 聡市長。   (和泉 聡市長登壇) ◎市長(和泉聡) これだけの規模のこれだけの中身の文化財を公開できるのは、本当に日本では京都府と足利市ぐらいではないかというような、そういう言い方さえしていただける方もいるぐらいの、我がまちが持っている文化の分厚さが、ここに凝縮されているのだろうといつも思っております。  そういう視点からすると、まさにこの近隣にはない足利市の財産ということが言えるわけで、その価値に我々自身が逆に気づき切っていないような面もあるのではないかと、私はいつも思っております。  今、数から質への議論とか、様々な視点からの議論と検討があったわけですけれども、いずれにしろ足利市というまちがこれからどういう形で永続的に魅力を発信していけるかというときに、改めて思うに、我がまちが持っている歴史の分厚さというのを生かさない手はないというか、生かしていくことしか、我がまちが末永く輝いていく形を維持できる方法はないのではないかといつも思っております。  そういう視点で、文化財がどういう形でもっと有効に、ポテンシャルという言葉が繰り返し出ましたけれども、ポテンシャルを生かせるかというのは、あらゆる機会を通して考えていきたいと思っています。 ○議長(柳収一郎) 末吉利啓議員。   (5番 末吉利啓議員登壇) ◆5番議員(末吉利啓) 市長の心強い御答弁ありがとうございます。  ぜひこの歴史の分厚さ、ポテンシャルを最大限生かしていただけるよう、御尽力お願い申し上げます。  まずは、参観者数を現行の、大体2万人おりますが、1.5倍の3万人当たりを目指していただき、文化財所有者やボランティアガイドの方々が、足利市も歴史観光に本腰を入れてきたなと思わせるぐらいのオール足利体制の構築をお願いいたします。  ただいまの市長の答弁をもちまして、私の全ての質問を終わります。 ○議長(柳収一郎) この際、暫時休憩いたします。  なお、再開は午後2時15分といたします。   休憩 午後2時08分                           再開 午後2時15分 ○議長(柳収一郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑にあわせて一般質問を継続して行います。  15番、斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 質問のお許しをいただきましたので、通告に従い順次質問をしてまいります。  本市の農業政策について何点か伺います。まず、農業後継者対策について市長に伺います。農業は、言うまでもなく食料の安定供給により地域経済を支え、活力ある社会を維持するために大きな役割を果たしております。しかしながら、近年では若者の農家離れによる農業後継者の減少や、高齢化の進行など、厳しい状況に直面しております。これからの農業の発展を考えるときに、農業後継者対策は大変重要な施策であると考えます。  本市の農業においても、開発や転用による農地面積の減少もあり、農業生産高は現状では横ばいの状態であります。しかし、一方で南部地域においては、若手の就農や新規就農者が増加傾向にあり、将来の本市農業にも希望の光が見えつつあります。農業施策においては、国、県による多くの補助制度が用意されており、農業後継者対策にも助成制度はあるものの、その補助対象になるにはクリアすべき事項が多くあり、小規模農家が多い本市の農業者にとっては、かなりハードルが高いという声が多くあるのも現実であります。  このような状況の中、本市においては若手の就農、新規就農者が増えつつある今こそ、本市独自の支援策強化の必要性を強く感じるところですが、どのように考えているのか、考え方をお伺いいたします。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員の質問に対し、当局の答弁を求めます。  和泉 聡市長。   (和泉 聡市長登壇) ◎市長(和泉聡) 15番、斎藤昌之議員の御質問にお答えします。  御案内のとおり、昨今の農業をめぐる状況は、TPP合意に基づく関税の撤廃や、50年間実施されてきた米の生産調整の廃止など、国内外における情勢の劇的な変化から、これまでの守られる農業から競争力の強い農業へと、大きな転換期を迎えています。足利市では、全国的な傾向でもある農業従事者の高齢化が進む一方で、ここ数年イチゴや花卉などの施設園芸において就農を希望する若者が増え、これからの農業に明るい兆しも見えてきました。  私は、若い農業者や女性農業者などと懇談する機会も多く、なるべく日程を割いて圃場に足を運び、生の声を聞くよう心がけています。そこには、農業にやりがいを感じ、常に前向きに取り組む若者の姿があり、彼らの熱の籠もった語り口や、日焼けした頼もしい顔を見るたびに、この若い人たちを地域ぐるみで温かく育てることで、将来の足利市の農業はより強く、そして安定したものになると確信をしております。  足利市では、農業の生産性の向上や合理化を図るため、農地の集積・集約化事業を積極的に進め、令和元年度からは南部地域において、約60年ぶりとなる圃場整備事業の取組も始めました。しかし、農業者の皆さんと意見を交わす中では、農地の区画や農道が広く整備されても、それに対応した大型機械やICT技術を活用したスマート農業の導入には、多額の設備投資が必要であること。特に新規に就農を目指す若者の多くは施設園芸を希望するため、ビニールハウスなどの初期投資が大きな負担であることを伺いました。  そこで私は、これまでの国や県の支援措置に頼るだけでは、新たな可能性の芽を大きく育てることはできないと判断し、令和2年度から足利市単独の補助制度を創設すると同時に、新規就農者のための研修制度も拡充することとしました。  具体的には、農業の担い手や新規就農者が施設や農機具などの農業設備を導入する場合、一定の要件に該当すれば国庫補助の有無にかかわらず、購入費の一部を助成することとしています。また、国庫補助が受けられる新規就農者の研修については、従来の農業大学校に加えて地元の農家も対象とし、さらに受入れ農家に対しては、一定の支援金を交付することとしています。  私は、農業は商工業とともに将来の足利市の発展を支えていく大切な産業の柱であるという基本的な認識に立ち、今後とも次代の農業を担う若者が夢と希望を持って就農できる、魅力ある農業の確立を目指してまいります。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 今の市長の答弁でも、当局も農業者との意見交換を実施して、実態を理解されたものと思います。我々も令和2年1月下旬に、南部筑波地区の若手農業者とJA足利の理事、幹部職員、そして4名の議員が参加して、懇談会を行いました。そのときに、農業現場での厳しい実態をうかがい知ることができました。  若手農業者や新規就農者は、やる気満々であります。しかしながら、残念ながら資金力がありません。今回の市長の答弁の中にあった、足利市独自の補助制度の創設は、彼らにとってはまさに朗報であり、本市の決断に敬意を表するとともに、大いに期待したいと思っております。しかし、どの制度においても一定の要件があるわけで、その要件のハードルが高過ぎては意味がありません。具体的な要件や支援金はどのようなものなのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 岩原産業観光部長。   (岩原幸市産業観光部長自席にて答弁) ◎産業観光部長(岩原幸市) この補助金につきましては、全ての農家が対象というわけではございません。  農家の方が自分の土地を出し合って、そして大きな農業をやろうということで組織的に活動なさっている地域、具体的には圃場整備の予定区域、あるいは農地集積事業を実施している区域、こちらの区域の方が対象となります。そして、この区域の方が設備を購入する場合に、通常、採択基準があって、それに合格すると国庫補助が得られるわけですけれども、その国庫補助に上乗せをして市の単独費を入れると。そして、国庫補助に採択にならなかった方でも、有効な設備投資であるという判断をした場合には、足利市が単独で補助金を入れるということであります。  そして、先ほどおっしゃったように、新規就農者の方については大変資金需要が高いということですので、通常の倍程度に補助金のかさ上げを行うという内容になっております。農地が大きくなれば大きなトラクターも必要になるし、ビニールハウスも単棟から連棟へということで、大きな資金も必要になります。そういったことを政策的に後押しをしたいということでございます。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 産業観光部長からの答弁で、この間の懇談会の中でも意見として出たのですけれども、ビニールハウスは作りましたと。しかしながら、それで手いっぱいで、農機具が購入できないというような若い人の意見も伺いました。ですから、今後ますます若手が就農したいといった場合にも、ぜひともこの上乗せをしていっていただければなと思っております。  そこで、今農業集約とか、事業を南部地域でもしておりますけれども、同じように南部地域では産業団地、あるいは公共施設の建設によって、農地の縮小が余儀なくされている現状も片やあります。これが現実となってあるわけですけれども、この足利市の農業の将来像をどのように考えているのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 岩原産業観光部長。   (岩原幸市産業観光部長自席にて答弁) ◎産業観光部長(岩原幸市) 確かにおっしゃるとおり、産業団地等で農地が少なくなる、絶対的な農地の面積が少なくなるということでありますけれども、こういった農地の集積事業や圃場整備事業を行うことによって、農業用排水が整備をされ農道がきれいになり、田畑が広くなるということで、確実に農業生産力、これは上がってまいります。そして、農家の方の所得も、これも上がってくるだろうということで我々は考えております。  そして、産業団地の開発によって影響を受ける農家の方については、なるべく今後農地を集約する中で、できる限りの配慮をしていきたいと思っております。この地区につきましては農業と、それから工業、これが一体となって進んでいくわけですので、ある意味モデル地区となっていくようなことで我々は期待をしております。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) よく分かりました。  今、農業者の実態も集団化、あるいは法人化が進みつつあります。そんな状況ですので、さらに手厚い支援策を今後検討していただくことを期待して、次の質問に参ります。  次に、農業委員会の役割と今後の展望について、農業委員会事務局長に伺います。国は、食料・農業・農村基本計画において、農業や食品産業の成長産業化を促進する産業政策と、多面的機能の維持発揮を促進する地域政策を両輪として農政改革を推進し、食料自給力指標を公表するとともに、次世代の担い手の確保、農地集積バンクの創設、またTPPに対応した国際競争力の強化を進めており、これらの事業を加速させることを狙いとして、農業協同組合法や農業委員会等に関する法律が同時に改正されたわけであります。この法改正により、公選制から任命制に移行し、認定農業者を含め、各地域や団体から推薦された農業委員15名がその任に当たってきたわけですが、同法の改正から間もなく4年を迎えますが、農業委員会の業務を推進する上で、特にどのような効果が得られたのか。また、本市の農業振興に向け、農地利用最適化推進委員の役割をどのように強化していくのか、お伺いをいたします。  また、このところ農地への太陽光発電施設の設置が目立つように思いますが、最近の農地転用の特徴がどのようなものであり、どう分析しているのか、お伺いをいたします。  さらに、耕作を放棄された遊休農地の実情と、その解消策及び方向性についてお伺いをいたします。 ○議長(柳収一郎) 斉藤農業委員会事務局長。   (斉藤正巳農業委員会事務局長登壇) ◎農業委員会事務局長(斉藤正巳) ただいまの御質問にお答えします。  まず、法改正に伴う業務推進上の効果についてです。法改正により、農業委員は農地の権利移転や活動指針の作成などに取り組み、また新設をされました農地利用最適化推進委員は、担当地域において農地の集積・集約化などの支援活動を行っております。このように業務が分担されたことにより、それぞれの役割に特化した活動を行うことで、一定の効果が上がっております。  次に、農地利用最適化推進委員の役割強化についてです。農地利用最適化推進委員は、地域ごとに作成する人・農地プランの実質化に向けた見直しの調整役を担うということから、農業委員との意見交換や研修会への参加により、資質の向上を図っております。  次に、最近の農地転用の特徴についてです。国による再生可能エネルギーの開発や普及促進により、平成26年度以降、太陽光発電設備設置のための転用が増え、令和元年度は2月末時点で市街化調整区域の約18.5ヘクタールの転用面積となっております。これは、農地所有者が農地を維持できない現状などが要因となっていると思われます。  次に、遊休農地の実情と解消策についてです。遊休農地は、平成30年度末現在約36ヘクタールあり、その主な要因は、後継者不足や所有者の市外在住などとなっており、引き続き担い手への貸付けや中間管理事業、農地情報バンクなどの活用により、遊休農地の解消を図ってまいります。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 今、農業委員会も新体制となって、間もなく第1期が終わるところでございます。7月が改選の時期でありますけれども、この新体制となって1期を迎えて、この成果を踏まえて今後の農業委員会の在り方について、事務局長の所見があればお伺いをしたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 斉藤農業委員会事務局長。   (斉藤正巳農業委員会事務局長自席にて答弁) ◎農業委員会事務局長(斉藤正巳) 農業の抱える課題は、高齢化あるいは後継者不足をはじめとして、様々な要因が山積をしております。  平成27年の改正農業委員会法に基づいて設置をされました農業委員、あるいは農地利用最適化推進委員は、それぞれの地域で農地利用の最適化を推進するコーディネーターとしての活躍が期待をされております。  本市でも、大型農業機械などによって経営の拡大を図る農業者の増加が見られますが、魅力ある産業へと発展をさせるために、農業者と農業委員及び農地利用最適化推進委員、あるいは関係団体が一丸となって、それぞれの地域に応じた農地の有効活用策を検討いたしまして具現化させていくことが非常に重要なことであると考えております。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) それでは、次の質問に移ります。  本市の教育について何点かお伺いいたします。日本最古の学校である足利学校があり、すばらしい教育目標を定め、教育のまちを標榜している足利市、そんな足利市の教育の特徴はどのようなものなのか。  本市議会でも、教育に関する視察を数多く行ってきておりますが、生涯学習の観点では、他市に比較しても、すぐれた取組をしていると評価できると感じております。しかし、義務教育段階での評価は、数値化された学力に代表されるように、表面的な評価が主流となっており、それによって評価が左右されるという風潮にあります。もちろん数値での評価は大きな目安になることも事実でありますが、教育という大きな分野の一部にすぎないとも言え、児童生徒の真の健全育成を担う観点からも、義務教育期間は大変重要であると考えております。  そこで、本市の教育、特に義務教育期間の教育について伺います。まず、指導力不足の教員の実態についてお伺いをいたします。  教育には、家庭、地域、学校の連携が大変重要であることは、共通の認識であると思います。しかし、最近の全国的傾向として、教員の不祥事の増加は大変危惧するところであります。児童生徒と教員との信頼関係の欠如が要因とされる事件や、神戸市の教員同士による不祥事などは理解しがたい事件であります。これは、教員の支出云々の話ではなく、人として何かが欠落していることに起因する事例であると思います。そんな教員が現実に存在し、子供たちを指導していたのかと思うと、ぞっとする事件であり、指導力の欠如どころでなく、教員としての不適格者であると言えます。  全国的にも教員の資質が問われる今、本市では指導力不足の教員とは、どういった教員を指し、その実態をどう把握しているのか、お伺いをいたします。  また、指導力を向上させるため、本市ではどのように取り組んでいるのか、お伺いをいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長登壇) ◎教育長(若井祐平) ただいまの御質問にお答えします。  本来教員は、人を教える立場であることから、その専門性と専門職にふさわしい在り方を求めて、常に研究と修養に努めることが大切です。ゆえに、教員は常に緊張感を持って、児童生徒の前に立たなければならないと考えております。  初めに、どういった教員を指して指導力不足の教員とするのかについてですが、県の指導が不適切な教員の認定の手続等に関する規則によると、学習指導を適切に行えない、学級経営や生徒指導を適切に行えない教員などと示されています。  本市におきましては、現在県の示す基準に該当している教員の報告は受けておりません。  次に、指導力を向上させるための本市の取組についてです。教師には、子供たちに分かる授業ができる専門性、子供とどんなことでも相談できる人間関係づくり、保護者や地域の方々と信頼関係の築ける社会性など、豊かな人間性と専門性を基盤とした実践的な指導力が求められます。  そこで、具体的な取組として、市教育委員会主催の役職や経験年数に応じた様々な研修のほか、学習指導、人権教育、特別支援教育といった専門性を高めるための研修などを年間の計画に位置づけ、延べ1,200人を超える教員が参加しています。各学校においては、かなふり松プロジェクトの事業を活用しながら、教員同士が共に学び合い、資質の向上を図るために児童理解のための研修や、研究授業を通した指導方法の研究など、校内現職教育の充実に努めているところです。  また、先生方個人においても、自分自身の課題意識を持ち、分かる授業の実践に向けて、日々の教材研究をはじめとした自主的、自発的な研修に励んでおります。  今後も足利市の教員は、自らの不完全さを認識しながら、目の前の子を直視し、関わり、子供との信頼関係を築いていける教員であるよう、常に学び続ける教師を目指して指導してまいります。 ○議長(柳収一郎) この際、暫時休憩いたします。  なお、再開は午後2時45分といたします。   休憩 午後2時38分                           再開 午後2時45分 ○議長(柳収一郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、東日本大震災9周年に当たり、震災で亡くなられた全ての方々の御冥福を祈り、黙祷をささげたいと存じますので、全員御起立お願いいたします。   (全員起立) ○議長(柳収一郎) これより黙祷を行います。  黙祷。   (黙祷) ○議長(柳収一郎) 黙祷を終わります。  御着席ください。  質疑にあわせて一般質問を継続して行います。  15番、斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) それでは、先ほどの指導力不足の教員の実態について答弁をいただきましたけれども、再質問をさせていただきます。  本市では、教育委員会主催の研修や学校内での研修の充実に努め、個人においても自主的、自発的な研修に励んでいるとのことですが、このような研修は全国で同様に行われているものと考えます。しかし、そんな中にあっても、神戸市の事例のような不祥事が現実に起こっているわけで、その研修そのものの在り方も検討していく必要があると思いますが、どのように考えているのか、お伺いをいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 研修の在り方ですけれども、これも常に見直しながら、内容を改善して取り組んでいるところでございます。  特に研修のみならず、私自身もいろいろな場で、校長や教頭をはじめ、あるいは先生方が集まる総会などの場で、日頃から子供たちの思いをいかに育むか、思いをどう把握するか、子供をしっかりと見てほしいということを常々言っているところでございます。  全国的ないろいろな不祥事の起こった場合、そういったものを具体的に取り入れながら、研修の中身を改善しているところであります。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 先ほどの答弁の中で、指導力不足の教員は今のところ存在はしていないということですが、調査によりますと、認定をされていないけれども、校長が判断した指導が不適切であると思料される教員はいるという結果が出ております。  ちなみに、平成26年度が該当者6名、平成27年度が該当者4名、平成28年度が該当者3名、平成29年度は該当者ゼロ、平成30年度が該当者2名ということですけれども、この校長の判断基準はどのようなもので、該当する教員の指導は誰がどのように行っているのか、お伺いをいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 校長は、先ほど申し上げました県の示すその評価項目を基にして判断をしております。  実際の授業を参観する中で、分かる授業が行われているのかどうかを見たり、あるいは子供との関わりの様子、子供の悩みや不安に寄り添えているのかどうか、そういった点を見ながら判断しております。場合によっては、教頭あるいは教務主任、そういった立場の方の意見も踏まえながら、総合的に判断しているところでございます。  そして、その場合の指導でございますけれども、校長が指導力不足と判断した場合は、その教員に対して、校長をはじめ教頭、学年主任などのチームです。チームとして、授業参観、あるいは個別の指導などを通しながら指導に当たっています。  その状況によっては、教育委員会といたしましても、管理主事、あるいは指導主事を訪問させて指導を行っているところであります。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 先ほど申し上げました平成26年度の6名、平成27年度の4名と、平成28年度の3名ということで、ここで13名。平成30年度の2名を含めますと15名。実際には、そういった教員がいたという事実がございますけれども、ここに出てくるということは、私が考えるに、極めて指導力不足に近いと思わざるを得ません。これまでの教育委員会のありようからしても、なかなかこういったものは出さないような、聖域であったというような気持ちがしております。  ここまで出るということは、相当私は問題ありなのだろうと思っていまして、この該当した教員が、実際現場で職務にそのまま、例えば担任であるならば担任として当たっていたのか、そういう点は現場の配置はどうであったのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) そういった教員ということですけれども、学校には様々な校務分掌がございます。  校務分掌の担当は、校長のほうで決めていくわけでございますけれども、教員の資質にふさわしい校務分掌ということを担当させて、務めているところでございます。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) このところ、教員を志望する学生が少なくなってきて、競争率が下がってきたということで、下がり方が優秀な教員を確保するには困難な倍率になってきたというニュースも聞こえております。  そういうこともありますので、県のほうにも申し上げて、教員の資質の向上に努めるように、採用の時点からもう少し検討されるようにお願いをしたいと思います。  次の質問に移ります。教育目標の具現化と、いじめ等問題への対応策についてお伺いをいたします。本市では、情報や防災、教育環境等、社会情勢の変化に対応するため、平成30年に教育目標の全面的な見直しを行いましたが、学校内で行うべき事項について、その方針が着実に教育現場に反映されているのか、お伺いをいたします。  また、本市小中学校における過去10年間の学校でのいじめ等問題の調査をいたしましたが、いじめの認知件数や不登校の児童生徒数に減少が見受けられませんが、学校現場での実情と対応策の取組内容についてお伺いをいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長登壇) ◎教育長(若井祐平) ただいまの御質問にお答えします。  初めに、教育の現場への反映についてでありますが、足利市の教育目標の具現に向け、毎年、学校教育指導計画を作成し、その中で努力点、具体策として様々な施策を掲げ、全教職員へ示しております。各学校においては、この学校教育指導計画に基づき教育計画を策定し、それぞれの実情に応じた特色ある教育、開かれた学校づくりが行われていることから、足利市の教育目標は着実に反映されております。  次に、いじめ等の問題についてでありますが、議員御指摘のとおり、いじめの認知件数や不登校児童生徒数が減少せず、その原因や背景が見えづらくなっているのが実情です。  そこで、各学校では早期発見・早期対応に努め、組織として情報を共有し、対応できるよう、全ての教職員が子供に寄り添い、子供の事実からその背景にあるものをしっかりと把握することを日々心がけております。  子供の心理を考えますと、自分は我慢できるから心配かけたくない、話すことでより事態が悪くなることを恐れる、仕返しを恐れていじめられていません、大丈夫ですという態度を取ることがあります。だからこそ、教師が見れども見えずなのか、見れども見せずなのか、あるいは見れども言わずなのか、子供をしっかり見詰め、真摯に関わっていかなければなりません。子供を直視することについては、様々な場で全教職員に指導しております。  今後も、足利市の教育目標に示されている相手の立場や気持ちを大切にした、よりよい仲間づくりの具現に向け、いじめ等の問題についてしっかりと対応してまいりたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) このところのITの急速な進展によって、教育現場でもパソコンやタブレットの導入が進んでおります。それに伴い、家庭や個人でのスマートフォン等の保有率は、大変高くなってきております。  これにより、児童生徒間の情報収集や連絡ツールとしても、IT機器の使用が急激に増加しています。これにより、いじめの実態にも変化が生じていると思いますが、実態はどのようなものか、お伺いをいたします。
    ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 毎年、年2回いじめのアンケート調査を実施しています。  この調査によりますと、いじめの内容について、悪口を言われたと、これが一番多いです。ここ数年見てみますと、調査項目に、あなたはインターネット内で悪口を書かれたことがありますかという質問があります。それに対する件数でございますけれども、数的にはまだ少ないほうですけれども、しかし、ここ年々増えているというのが実情でございます。学校ではなかなか見えにくくなっている、それが実態でございます。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 以前では、相手が特定できるいじめが多かったと思います。私も、いじめっ子だったわけではないですけれども、結構相手に覚えられていまして、後で仕返しをされたりして痛い目に遭ったことありますけれども、今では匿名性が増してきておりまして、現状でのいじめでは、解決も困難さを増しているのではないかと思いますけれども、その点では実態はどうなっているのか、お伺いをいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 議員おっしゃるとおり見えにくくなっているために、その対応あるいは解決も、しづらい状況になっております。  見えにくくなっているからこそ、教師が子供のサインをいち早くキャッチする、そして日頃から信頼確保に努めるのだと、こういったことを重視していかなければならないと思います。特に私は、子供たちの人間関係の変化を見逃さないようにしていただきたい。あるときに、何人かのグループで、その先頭でリードしていた子供が、ある日突然、今度はそのグループの後ろのほうに、みんなの後をくっついていくというような、そういった変化も見逃してはならないと思います。  いじめ、その背景には、同質にとらわれる社会性といいますか、あるいは仲間と群れていないと何となく不安になるという心理が働いているのだなと、改めて思っているところです。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 今やテレビをつければ、通信機器会社のコマーシャルが便利さを売り物にして、多数流れております。家族割だとか何だとかいうことでコマーシャルしておりますけれども、使い方によっては、この便利な通信機器がいじめの格好な道具になるという観点が、私は必要だと思っております。  教育現場で、いじめの起こり得る事象を教えるとともに、教育界全体として、この通信機器の使用の在り方を考える必要があると思いますが、どのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 喫緊の課題でございます。教育界全体の課題であると捉えております。  私は、常々思うことがあるのですけれども、これは私も含めての大人でございます。大人は、スマートフォンを持つ資格があるように子供を育てていく義務があると、そう考えます。スマートフォンを持たせるからにはということです。  大人たちに求められるのは、どうすれば子供たちが新しいメディアとかコミュニケーションツールを正しく安全に使うことができるのかを親も学んで、そして子供と一緒になって考えていく、そのはずなのに何か事があると、すぐ禁止ですとか、9時以降は使ってはいけませんとか、そういったことしか考えないような傾向を私自身思います。  これは、やはり大人としての怠慢ではないかとそしられても、私は言い訳はできないと思っています。与えたのは大人でございます。やはり学校だけでなく、これは教育界全体、あるいは地域や家庭も含めた社会全体の問題として考えていく、そういった思いでございます。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 今後の大きな課題として、我々も含めて社会全体で、この問題は考えていったほうがよろしいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。  それでは、次に、人間力及び学力向上策についてお伺いをいたします。これまでも、そして今議会でも、私を初め多くの議員が学力向上については質問をしてまいりました。数字で評価できる指針としては、子供たちの実情を知る上では参考になります。現状では、栃木県全体も、本市においても、学力レベルは全国でも下位に低迷していたのが事実であります。しかし、本市教育委員会が唱えるように、大切なことは学力だけではないというのも理解はできます。確かに最も重要なことは、人間力の向上であると思いますが、この人間力を教育現場でどのように教育実践されているのか、お伺いをいたします。  また、令和2年度より本市独自の学力テストの実施を決定したようですが、教育委員会として数値で評価される学力をどのように捉え、今後、学力向上策をどう展開していくお考えなのか、お伺いをいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長登壇) ◎教育長(若井祐平) ただいまの御質問にお答えします。  初めに、教育実践の具体策についてですが、教育は人間力の向上が重要であるとの議員のお考えに同感であります。  人間力とは、豊かな心を持ち、たくましく生きる力であり、生涯にわたって学ぼうとする意欲と、社会の変化に主体的に対応できる資質・能力であると捉えております。言い換えれば、目指すべき子供像としてお示しした知・徳・体の調和の取れた、自ら学び心豊かにたくましく生きる足利っ子の姿であります。  そのために、学校では一人一人の子供たちに教えるべきことはしっかりと教え、学ぶべきことは根気強く学ばせる教育活動を展開しております。そして、子供一人一人が主体的に学習している姿や心を育てている姿、前向きに努力している過程をしっかりと把握し、認め励ます教育の展開に努めているところです。  具体的には、分かる授業の展開や、自らを見詰める道徳の時間の指導、特別活動を中心とした豊かな体験活動や人間関係づくり、健康で安全な生活を営むための体育・保健安全指導などが挙げられます。  次に、数字で評価される学力をどのように捉えているのかについてですが、海面上に姿を見せる氷山のようなもの、あるいは見える学力として、学力の一部であると指摘する方もいますが、これは子供たちが学んだことや努力したことの一つの表れであると言えることから、大切にしなければならないと捉えております。  そこで、今後の学力向上策としましては、かなふり松プロジェクトの充実を図る中で、当該学年で身につけるべき力が定着しているかどうかを確認する市独自の学力テスト、かなふり松チャレンジを実施いたします。子供たちの学習の習得状況を把握して、身についていないようなら補充指導を行い、十分理解していれば発展的な学習につなげていきます。子供の実態を捉え、その時間の目標をしっかりと押さえて指導すること、小まめな評価を繰り返しながら、この子は分かったか、できたかということを丁寧に把握し、個に応じた指導を行うことによって、その内容の確実な定着を図ります。  今後も、かなふり松プロジェクトを通して、知・徳・体の調和の取れた人間力のある足利っ子を育んでいきたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 再質問いたします。  人は人によって人となる、この言葉のように人としてどう生きていくのか、そのための人間力を育むためには、長い時間を共にする教員と子供たちとの関わり方が重要であると思います。  どのような姿勢で向き合っているのか。また、どのように教員に指導しているのか、お伺いをいたします。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) 教員の子供たちに対する関わり方、これは重要でございます。  そこで、どのような姿勢で向き合っているのかということでございますが、私は先生方に、例えでございます。縁側の座布団のような、そういった姿勢で子供たちに関わってもらいたいと思っています。常に温かな、ぬくもりのある姿勢でございます。先生あのねと子供が話しかけてきたときには、かがんで子供の話に耳を傾ける先生、あるいは先生見ていてと、鉄棒ができるようになった喜びを見てといったときに、そのときにそういう子供のそばで、見てもらいたいけれども言えない子がいるのだという、その子供をしっかりと、そういう子がいることを気づいてほしいと思いますし、また出歩く子供がいたら、席を離れたとしたときに、みんなと同じようにちゃんと座っていなさいではなくて、その子供がなぜ出歩くのだろうかと、その子の気持ちを考えられる、そういった縁側の座布団のような温かな、ぬくもりのある、そういう姿勢で私は子供たちに向き合ってほしいと常に願っています。  そしてまた、どのように教員に指導しているのかということでございますが、先ほど申し上げましたけれども、私も様々な研修の機会で先生方にお話をさせてもらっています。新規採用の先生方を初め養護教諭、あるいは事務職員の方々にもお話をさせてもらう、あるいは毎月の校長会議、年に何回か教頭会議はあります。それから、足利市の中学校の先生方の研究会の集まる総会もあります。あるいは、足利市教育会の先生方の集まる会もあります。そういったところで、具体的に語りかけさせていただいているところです。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 学力向上について再質問をさせていただきます。  本市では、栃木県教育委員会より、足利高校と足利女子高校の統廃合が示されたのを受け、より高い高等教育実現のため、足利市民会館の敷地提供を表明いたしました。この高等学校での教育向上には、当然ながら義務教育である小学校、中学校での教育のレベル向上、学力向上も不可欠な条件となります。  この高等教育へ移行までの学力の在り方をどう考えるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 若井教育長。   (若井祐平教育長自席にて答弁) ◎教育長(若井祐平) これは、私の考えでございます。やはり足利学校、建学の精神、自学自習、これが私は足利市の義務教育の段階で子供たちに育てたい力でございます。当時の人々も、恐らく目標に向かって自ら学び続けたのだと思います。そういった、今の子供たちにも志を持って、その具現のために日々努力をする、自ら学び続ける。そういった子供たち、これがやがては生涯学習の基礎、基本を培うというところにつながっていくものと思います。  それを新学習指導要領で申し上げますと、国の示す三つの資質、能力でございます。一つ目は、生きて働く知識、技能。二つ目は、未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力。三つ目が、学んだことを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力、人間性と国はこう示しております。足利学校の自学自習の精神と国の示す三つの資質は、私は全く一致しているものと、そう捉えております。  子供たちが自ら掲げた将来の目標に向かって、進路選択の際に幅が広がるような、確かな学力を持つよう鋭意努力してまいりたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) それでは、最後の質問に移ります。  公園等の樹木管理についてのうち、樹木管理の在り方についてお伺いをいたします。公園や街路の樹木管理に関し、特に技術的観点から厳しい指摘をしてまいりました。令和2年2月27日の全員協議会でも、厳しい意見を申し上げております。  本市の公園等は、緑化事業の先進都市として、都市の景観づくりに大いに貢献をしております。その公園等も建設から年数を経過し、施設や遊具の老朽化、樹木の成長による密集化が進むと同時に、利用者や利用方法等も変化してまいりました。  そんな中、地域住民からの要望もあってのことと思いますが、長い年数をかけて成長した樹木を、その樹木の特性や成長力などを考えず、いとも簡単にトーテムポールのごとく、無残に伐採する事例を多く目にしてきました。これは、発注者側の指導不足なのか、管理業務の委託先の技術不足なのか分かりませんが、再三の指摘にもかかわらず、樹木管理の改善を見るに至っておりません。これまで、どのような技術指導を行ってきているのか、お伺いをいたします。  また、いちご一会とちぎ国体を控え、会場となる足利市総合運動場等の樹木管理をどのように考えているのか、お伺いをいたします。 ○議長(柳収一郎) 花澤都市建設部長。   (花澤 繁都市建設部長登壇) ◎都市建設部長(花澤繁) ただいまの御質問にお答えします。  都市公園等の維持管理については、民間事業者などが有するノウハウを活用し、市民サービスの質の向上を図ることを目的として、平成18年度から指定管理者制度を導入し、足利市みどりと文化・スポーツ財団に委託してきました。  これまで、樹木を剪定するに当たっては、樹木の特性や生育等を考慮しながら枝を間引くなど、なるべく樹形を保つよう指導してきましたが、地域の皆様から落ち葉や害虫などの苦情を受け、やむを得ず枝を幹の付け根付近から切り落とすような剪定を行ったこともありました。  今後、樹木を剪定するに当たっては、事前に現場で立会いを行い、剪定後の樹形等を十分に考慮するよう適切な指導に努めてまいります。  また、同財団の職員とともに各種の研修に参加することで、樹木に関する知識や技術の向上を図るとともに、一定の資格を取得することも検討していきたいと考えています。  次に、いちご一会とちぎ国体開催に向けた樹木管理についてです。ソフトボール競技会場に決定した足利市総合運動場内の樹木については、観客の動線を考慮するとともに、競技運営に支障のないよう適切に維持管理を行います。いちご一会とちぎ国体の開催時には、多くの方々が足利市総合運動場を訪れることから、観客の安全面や景観などにも十分に配慮しながら、おもてなしの準備を進めてまいります。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) この問題は、たびたび指摘をさせていただいております。今回は、新型コロナウイルス感染症の関係でマスクをしておりますから、顔が半分見えないので、憤慨している顔が見せられなくて残念なのですけれども、本市においては、長く公園緑地課が都市緑化の分野を担ってきておりまして、当然専門的知識を持った職員が配置されておりました。時の流れとでも言うのでしょうか、公園緑地課がなくなり、今では担当にまで格下げになったわけですけれども、その結果、知識や技術が低下して、現状の結果を招いたのではないかと思っております。  植栽技術には、言うまでもなく遮蔽、防音、防火、誘導、緩衝、あるいは景観形成などの機能があって、それぞれに適した樹木があり、専門的知識を持った職員の養成をしていかないと難しいのではないかと考えております。  よりよい管理をするためには、業界や外郭団体を対象とした講習会の開催を考えたらどうかと思いますけれども、その点でお考えがあったらお聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 花澤都市建設部長。   (花澤 繁都市建設部長自席にて答弁) ◎都市建設部長(花澤繁) 担当する職員の知識を向上させるべきだということであります。そういったためには、大きく分けて二つあるのかなと思っているところでございます。  まず1点は、研修をしっかりやっていくと。さらには、可能な範囲で資格の取得と、そういったものがまず重要なのかと思っています。例えば研修につきましては、現在国土交通大学校が、公園・緑化研修といった講習を専門的にやっておりまして、長期間にわたる研修であります。そういった研修に多くの職員を派遣して学習をしていただくと、そういうところに基づいて樹木の維持管理に係る技術や知識、こういったものを習得できるよう検討してまいりたいと考えています。  また、資格についてでありますが、樹木の維持管理に係る資格といたしましては、造園施工管理技士または造園技能士、こういった資格がありますので、そういった資格を職員が自ら率先して取得するような雰囲気づくりも進めていければと思っております。  さらには、もう一点ございますが、業界の方々にお願いした講習会ということであります。先ほども御指摘ありましたが、人事異動等がありまして、異動してきて初めて樹木に携わる職員もいるということはやむを得ないことでありますが、そういった職員の技術や知識をいかにして上げていくかといったことは、大きな課題であると考えております。そういったことを考えれば、足利市みどりと文化・スポーツ財団の担当者も含めまして、造園業界の専門家の方々にお願いをして、その方々がこれまで培ってきた経験でありますとか技術、そういったものをできる限り職員に伝えていくという面では、講習会を開催することは非常に有意義なことであると思いますので、今後積極的に検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 今答弁の中にあったように、職員には異動がありますので、担当部署にぜひとも管理マニュアル、これは以前も私が指摘させていただいたときにも担当部署には、その筋の参考書を実は持っていってあるのです。ですから、そういうものを参考にしながら、あるいは専門家の意見を聞きながら、そんな難しいマニュアルでなくていいと思うので、管理マニュアルを作成する必要があると思いますけれども、その点でお考えがあるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 花澤都市建設部長。   (花澤 繁都市建設部長自席にて答弁) ◎都市建設部長(花澤繁) 確かに樹木の維持管理をするに当たりまして、組織でマニュアルを作って、日頃から職員が見ることによって、自分の知識も向上していくでしょうし、例えばいろいろ経験した職員が、マニュアルに付け加えていくといったことでは、一定のマニュアルを作成するということは、本当に非常に重要なことだと思っています。  今後、やはり市内には、いろいろ樹木の維持管理に携わっていらっしゃいます造園業者の皆さんもいらっしゃいますので、そういった方々からアドバイスをいただきながら、組織に合った使い勝手のいいマニュアルについて、検討を進めていきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 再質問いたします。  それから、足利市総合運動場の話が出ました。実は先ほどトーテムポールという比喩をしましたけれども、これは実はそこのユリノキだと思いますけれども、それがトーテムポール状態になっております。  そのほか、あそこはいちご一会とちぎ国体を誘致する関係で、当然駐車場の整備とかは必要になりますが、現在ある密集した樹木は、間引きするなどの手法をとって、できる限り樹形を保つ剪定をすべきと思いますけれども、その点でお考えはあるのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 邉見教育次長。   (邉見 隆教育次長自席にて答弁) ◎教育次長(邉見隆) 議員御指摘のとおり、足利市総合運動場は多くの市民に憩いの場として利用していただいている施設でございます。間引き等を含めて樹形を保つ、いわゆる市民が憩えるような剪定方法により、維持管理していきたいと考えております。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 私も昔は技術屋だったわけですけれども、今回の樹木の選定の方法は、今までも多く指摘をしてまいっております。  現に足利市民会館と足利市総合運動場の間の街路樹の剪定、これも副市長にぜひ見てくださいということで、副市長は御覧になっていると思いますけれども、副市長、あの剪定、それから先ほど指摘をさせていただいた足利市総合運動場のユリノキの見事な伐採、これを見てどう思うか。それと、私が今提案申し上げた管理マニュアル等はぜひ必要だと思うので、副市長も技術屋ですから、そういった点は理解をしていただけると思いますので、ぜひともそういった部分を十分に検討していただきたいと思いますけれども、お考えがあったらお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 池澤副市長。   (池澤 昭副市長自席にて答弁) ◎副市長(池澤昭) 今の花澤部長との討論を聞かせていただきました。議員御指摘のとおり、私はあそこをその日のうちにすぐ見てきました。よく剪定してくれたなと、こういう感じでございますが、ただ、最近の傾向といたしますと、私も県内の県道、公園ずっと管理してまいりましたけれども、地域の皆様から様々なことの御指摘を受けるのです。私とすると、例えば公園の中で繁茂している木はすばらしいと思うのですが、地域の人からすると、ムクドリが来てどうしようもない、あるいは街路照明が遮断されているから駄目だと。これを全部切ると、今度は木陰がないと。様々な別々の方がいろいろ申し上げて、管理者とすれば非常にどうしようと、こうなってしまうのです。  今議員御指摘のように、樹木関係のマニュアルは、やっぱり樹形を整えながら、すてきな街路を守れと、こういう話なのです。象徴的なのは、栃木県庁前のトチノキでございますけれども、あそこも実は道路面上がってしまうのです。そして、トチノミが落ちてきまして、これが車に当たって管理瑕疵を問われるということで、全部切ってしまえという話もあったのですが、とんでもないという話でございまして、ぎりぎりのところでやっている。どうやっているかというと、トチノミを朝5時半から強制的に落とすのです。そして、車が通る時間までにはきれいにすると、そんなことを苦労しながらやってきました。  そんなことを考えますと、やはり私たちは県民の意見を聞くという非常につらい面もあります。ですから、私は議員御指摘のように、トーテムポールになってしまったというのですが、担当者とすると、ぎりぎりの選択だろうと思っています。しかし、緑あふれるすてきなまちをつくるということは私たちの使命でございますので、この辺はケース・バイ・ケースで判断していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(柳収一郎) 斎藤昌之議員。   (15番 斎藤昌之議員登壇) ◆15番議員(斎藤昌之) 緑化というのは、一つの文化度をはかる指標でもあります。ですから、これが見事に管理されているところは、都市の文化度が高いということが言えると思いますので、いろいろな声があろうかと思いますけれども、守るべきものはきちんと守っていくという、間引く場合は根元から切ってしまうと、中途半端な切り方をするので、おかしなことになるわけですから、ぜひともそこら辺を考えて、足利市の顔でもあるこの緑化の部分を、景観の部分を守っていただければと思います。  ただいまの副市長の答弁をもちまして、私の質問の全てを終了いたします。 ○議長(柳収一郎) 以上で質疑にあわせた一般質問を終結いたします。  お諮りいたします。ただいま議題となっております各号議案のうち、議案第12号から第19号までの各案については、審査の都合上、議員全員をもって構成する予算審査特別委員会を設置し、これに付託したいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(柳収一郎) 御異議なしと認めます。  よって、議案第12号から第19号までの各案については、議員全員をもって構成する予算審査特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。  その他の議案につきましては、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~    議 案 付 託 表(1) 〇 総務企画防災常任委員会 1 議案第 1号 令和元年度足利市一般会計補正予          算(第11号)について     2 議案第 2号 職員の服務の宣誓に関する条例の          改正について          3 議案第 3号 財産の取得について       〇 民生環境水道常任委員会 1 議案第 4号 足利市災害弔慰金の支給等に関す          る条例の改正について      2 議案第 5号 令和元年度足利市介護保険特別会          計(保険事業勘定)補正予算(第          2号)について         3 議案第 6号 足利市印鑑条例の改正について  4 議案第 7号 令和元年度足利市国民健康保険特          別会計(事業勘定)補正予算(第          2号)について         5 議案第 8号 令和元年度足利市公共下水道事業          特別会計補正予算(第2号)につ          いて              〇 教育経済建設常任委員会 1 議案第 9号 足利まちなか遊学館条例の改正に          ついて             2 議案第10号 足利市開発行為の許可に係る技術          基準に関する条例の制定について 3 議案第11号 市道路線の認定、廃止及び変更に          ついて             〇 予算審査特別委員会 1 議案第12号 令和2年度足利市一般会計予算に          ついて             2 議案第13号 令和2年度足利市介護保険特別会          計(保険事業勘定)予算について 3 議案第14号 令和2年度足利市国民健康保険特          別会計(事業勘定)予算について 4 議案第15号 令和2年度足利市後期高齢者医療          特別会計予算について      5 議案第16号 令和2年度足利市太陽光発電事業          特別会計予算について      6 議案第17号 令和2年度足利市水道事業会計予          算について           7 議案第18号 令和2年度足利市工業用水道事業          会計予算について        8 議案第19号 令和2年度足利市下水道事業会計          予算について           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(柳収一郎) 日程第2 議案第20号についてを議題といたします。  提出者の説明を求めます。  和泉 聡市長。   (和泉 聡市長登壇) ◎市長(和泉聡) ただいま上程されました議案第20号 令和元年度足利市一般会計補正予算(第12号)について御説明します。  今回の補正は、災害廃棄物等処理事業に係る歳入の整合を図るもの及び繰越明許費の追加を内容とするものであり、予算総額は568億5,500万円で、歳入歳出予算の増減はありません。  よろしく御審議の上、議決を賜りますようお願い申し上げて、提案の説明を終わります。 ○議長(柳収一郎) これより質疑に入ります。  ただいまのところ通告はありませんので、質疑なしと認めます。  ただいま議題となっております議案につきましては、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、総務企画防災常任委員会に付託いたします。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~    議 案 付 託 表(2)〇 総務企画防災常任委員会 1 議案第20号 令和元年度足利市一般会計補正予          算(第12号)について      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(柳収一郎) お諮りいたします。  3月12日は民生環境水道常任委員会、13日は総務企画防災常任委員会、16日は教育経済建設常任委員会、17日から19日は予算審査特別委員会を開催し、23日は議事整理等のため、本会議を休会したいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(柳収一郎) 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は全部終了いたしました。  次の本会議は、3月24日午後2時から開きます。  本日はこれをもって散会いたします。   散会 午後3時30分...